餃子人生を送る上において、辣油(ラー油)の存在は欠かせない。
とはいえ、僕は、その種類において、それほど大きなこだわりを持っていなかった。
辣油は、あくまで副次的な調味料であり、餃子の美味しさを大きく左右するまでのものではない、と思っていたのだ。
ということで、日常的に使うのは、100円程度の安価な辣油で十分、だと考えていた。
ただ、辣油に全く無頓着だったというわけではない。
以前、通勤電車の車内広告で、「この辣油が餃子に合う!」というようなものを見かけ、気になって購入したことはあった。
かどや 黒ごまらー油
ごま油で有名な、かどやによる辣油だ。
《極みの黒》《黒ごま油仕立て》というようなキャッチコピーがちょっとそそったし、Amazonなどでのレビューでも高評価だった。
ということで、大いに期待して購入し、家餃子でも使ってみたけれど、個人的には…?という感じだった。
確かに、蓋を開けてみると、ごま油の香りが仄かに漂って香ばしかったし、その辛さも好ましい感じではあった。
しかし、それで餃子の味に影響があるか、というと、個人的には、あまりそうは思えなかったからだ。
ということで、「やっぱり僕は、100円辣油で十分」と思いながら、それを購入し続けてきたが、ある日、近所のスーパーで辣油を補充しようと思った時、これを見かけて、なぜかビビッときた。
九鬼 胡麻 辣油
胡麻油の老舗、九鬼製造による…
「煮出し 胡麻辣油」だ。
そう。
数日前のこのエントリーに、さりげなく登場させていた辣油が、実はこれだった。
この辣油に、僕は今、めちゃめちゃ痺れまくっている。
と言っても、痺れるほど辛い辣油というわけじゃなく、心が痺れているのだ。
はじめてこの辣油を使った時の衝撃は忘れられない。
なんと言っても、蓋を開けた時の香りが強烈。あまりにも凄すぎだった。
とてつもなく甘美で濃厚な胡麻の香りが鼻腔に流れ込んで、僕は、それだけで幸せな気分になってしまったほど。
ただ、その香りが強烈すぎるため、僕は、少しだけ不安もあった。
辣油の個性があまりにも強いと、餃子の味と喧嘩してしまうのではないか…ということだった。
ということで、僕の主食である東亭餃子を、初めてこの辣油を使って食べるとき、僕は少しだけ不安があった。
しかしそれは、全くの杞憂だった。
旨いっ!
と、MAXフォントで叫びたいくらい、僕は、その味に痺れてしまったのである。
ごま油の濃厚な味わいと、ピリ辛な唐辛子のバランスがとにかく絶妙で、いざ、餃子の具につけてみると、具の味が一段進化したようにも感じる。
この胡麻辣油単体で、十分に味がついているので、醤油は不要。辣油だけで、最高の餃子を味わうことができるのだ。
僕は、これまでの餃子人生で、この辣油を知らなかったことを後悔してしまうほど、虜になっている。
値段は、1個300円超するため、餃子専用辣油として使うにはちょっと高いと感じる人がいるかもしれないけれど、これで至福の餃子が味わえると思えば、ちっとも高くない。
僕は、「マイ辣油」として持ち出して、外食時に使おうとも思っているほどだ。
超オススメ。