前回のあらすじw
JR中央線の阿佐ヶ谷駅北口にあるスターロード。
その小道に連なる飲食店街を抜けた果て。「三番」に僕は辿り着いた。
店の佇まいは、縦から見ても横から見ても、昭和の町中華といった趣で、僕はそれにグッと心を惹かれた。
ビールを飲みながら、まずは、「ニラ玉野菜炒め」を注文すると、それは、僕の想像していたものとは異なっていた。
「ニラ玉」と「野菜炒め」が、別々に調理されて融合した、三層構造の料理だったのだ。
僕は大きな衝撃を受け、そして大いに感動した。
ニラ玉野菜炒めの感動に浸りながら、僕は、もちろん焼餃子も注文していた。
僕の注文を受けると、やおら、ご主人は餃子を包み始める。
こういった姿を眺めることができるのも、町中華の素敵なところ。
たとえ冷凍餃子だって、美味しければ別に問題ないのだけれど、《包みたて》の餃子には、夢がある。ロマンがある。
手際よく餃子を包んでいくご主人の姿に、僕は思わず痺れてしまった。
そして。
焼餃子がやってきた!
ということで、ビールを追加w
ニラ玉野菜炒めがあまりに美味しすぎたので、僕は、それだけで1本を飲みきってしまっていたからである。
正直な第一印象を書くと、餃子のビジュアルはイマイチな気がした。
焼き目は若干焦げ気味(僕はその方が好みだけれど)だし、並べ方も不揃い。餃子のフォルムにも、これといった大きな特徴はない。
しかし、重要なのは、見かけよりも味だ。
そんなことを思いながら囓ってみる。
ニンニク!
いやはや何とも、どうにも凄まじいニンニクだった。
ニンニクは、大きな塊が入っているというわけではないが、野菜と一緒に細かく練り込まれ、その存在を強烈に主張している。
野菜のザクザク感もしっかり残っているが、ニンニクのパンチが凄すぎて、その味わいが薄らぐほど。
旨い、というよりも、苦い、といったほうがいいかもしれない。
酢醤油をつけると、そんなニンニクのパンチが弱まり、若干食べやすくなった。
そして、ニンニクに慣れてきたら、美味しいと思えてきた。
野菜ザクザク&ニンニクたっぷり系の具は、もともと、僕の好きなタイプの餃子なのだ。
疲れた身体には、こういったパンチの効いた餃子が合うかもしれない。
そう思いながら、僕はビールを呷った。