東京都豊島区。明治通り沿いにある町中華。
創業五十年を超える老舗、「中華楼」だ。
《池袋エリア》の店ではあるけれど、池袋駅からは2km程度ある。
最寄り駅としては、東武東上線の北池袋駅があるものの、それでも500m近くは歩く。
地元の人以外は、ちょっと行きにくい店だ。
僕は、以前から、明治通りを走るたびに気になっていたのだけれど、ようやく訪問することができた。
店内は、テーブル席が中心で、40席ある。意外と広い。
テーブルとテーブルの間には、ビニールカーテンが設置されていて、感染症対策もしっかりしている。
僕が入店したのは、まだ早い時間だったこともあり、店内はまだ空いており、ゆったりと座ることが出来た。
まずはメニューを眺めてみる。
多種多様な炒め物に加えて…。
豚や海老の天ぷら、三種類の焼肉(レバ、牛、豚)があったりする。
老舗の町中華でありながら、幅広いジャンルのメニューが用意されている店だ。
餃子・焼売・春巻の点心御三家をしっかりおさえているのも、ポイントが高い。
そして…。
別途、「おつまみ」というメニューが用意されているのが嬉しい。
焼餃子は通常メニューなのに、スープ餃子がおつまみ??というのは、ちょっと気になったが、まずは、すぐに出てきそうなザーサイをチョイス。
大好きなニラ玉が、手頃な価格(350円)で注文できるのが嬉しくて、それも注文。
主役料理の前座としては、それで十分かなぁと思っていたが、もうひとつ、気になるメニューを発見した。
キャベ玉だ。
ニラ玉というのは大抵の中華料理店で見かけるが、キャベ玉というのは、これまで見たことがなかった。
キャベツと玉子の炒め物であることは間違いないと思うが、ニラ玉と、どんな風に違うんだろうということが気になったので、これも注文してみることにした。
心の声が、「玉子ばっかりじゃないか!」「だから毎年、健康診断でコレステロールが高いと言われるんだよ!」と叫んでいたが、好きなんだから仕方ないw
まずは、ビールとザーサイが出てきた。
ザーサイは、小品ながらガッツリと塩味が効いていて、ビールのアテとしては最高。
遠巻きにテレビを眺めながら、ポリポリとザーサイを囓りながら、ビールを堪能していると…。
ニラ玉が出てきた!
なんとケチャップがかかっている。ニラ玉というよりも、オムレツといった雰囲気だ。
続いて、キャベ玉が登場。
おぉ!
僕は思わず唸ってしまった。ざく切りキャベツと玉子の炒め物で、キャベツの主張が強い。「キャベ玉」という名前のインパクトに負けない料理だ。
ニラ玉とキャベ玉の競演。
どちらも「野菜と玉子」の組み合わせなのに、全く違ったタイプの料理になっているのが素晴らしい。
そして…。
その味は、どちらも十分満足できるものだった。
ニラ玉は、その中身が半熟気味になっており、玉子のトロトロ感を堪能できる。
また、ニラ玉本体の塩味とケチャップが絶妙の相性となっているので、途中で味変させながら楽しめるのも魅力だ。
キャベ玉は、キャベツの存在感が強くて、玉子はその引き立て役。
しかし、それが実にいい仕事をしている。甘塩っぱい味つけが、ビールには最高のアテになる。
僕は、最高の《おつまみ》に感激。満を持して、主役の料理を注文することにした。