「本」は、ネット販売と非常に相性が良い。
総務省の統計によれば、年間7万点以上(!)の新刊が発売されているのだが、そのうち、書店に出回るのは、ごく一部に過ぎない。
出版界は、返品可能な《委託販売》という制度*1があるから、例えば都内の超大型書店であれば、毎日100冊以上の新刊書籍が入荷する。
しかし、書店の棚には物理的な限界があるので、一部の売れ筋商品や定番商品を除いて、定期的に入れ替わっていく。
書店の棚にない本というのは、出版社から取り寄せる形になるのだが、これがとにかく時間がかかり、確保までに2週間以上かかるのが常だった。
僕が子供の頃は、それが当たり前だったので、「どうしてこんなに時間がかかるんだ。」と思いつつ、「本はとにかく発行点数が多いから、仕方がないのかなぁ。」と諦めていた。
そんな流れを大きく変えたのが、ネット販売だ。
特に、amazonの上陸が、日本における本の流通形態を大きく変えたのは、今更僕が書くことでもないだろう。
どんなに本の出版点数が多くても、検索すれば、在庫の有無は一瞬でわかる。
そして、在庫品ならば、最短で注文当日に送料無料で届く!のは驚異的だ。
楽天ブックスも、amazonに品揃えでは負けていない。当日配送こそないが、最短で翌日に届くし、楽天ポイントもつく。
楽天市場のヘビーユーザーであれば、本を、実質1割引程度で購入できたりするので、こちらを利用している人も多いだろう。
しかし、そんなamazonや楽天においても、市場に溢れかえる本たちをカバーできない。
ネット書店の倉庫にも、物理的な限界があるからだ。
しかも、年間7万点発売される新刊のうち、《重版》されて再び書店に並ぶのはごく一部。
ベストセラーや定番となる商品を除いては、出版社倉庫に戻るが、出版社倉庫にもこれまた限界があるので、絶版になっていくものも多数。
だから、本好きにとっては、「入手したくても入手できない!」と言う本は山ほどあるのだ。
そんな本好きを救ってくれるのが、《古書店》という存在だ。
古書店においても、ベストセラー本や定番本などを取り扱っているが、僕が古書店を魅力的に感じるのは、「書店(あるいはネット書店)で入手できなくなった本」を発見できること。
amazonでは、一般市場で入手不可能になった本を、マーケットプレイスで購入することができ、1冊当たりの価格は数十円程度ということもある。
しかし、1冊毎に数百円の送料が別途かかり、しかも《まとめ買い》ができないのが痛い。
ピンポイントで1冊の古書を買うときは、amazonが便利だが、ある程度まとめて本を買いたい場合は、ブックオフオンラインやネットオフなどの古書店に分がある。
そんな僕が、最近、一番気に入っているのが、「もったいない本舗 おまとめ店」だ。
この店は、その名の通り、「まとめて本を買いたい人」には、最高の古書店になっている。
もったいない本舗 おまとめ店
もったいない本舗は、在庫点数100万点以上の大手古書ショップであり、「本店」「楽天市場店」「amazon店」「お急ぎ便店」など、さまざま形で店舗展開をしている。
品揃えに関しては(たぶん)同じで、販売ルートや出荷形態が異なる(仮想)ショップをいくつも持っている形だ。
この「おまとめ店」は「楽天市場店」同様、楽天市場内にあるので、楽天ポイントが付与される。
随時ポイントアップキャンペーンを行っており、例えば今日だと、楽天会員でなくても、10倍の楽天ポイントをゲット可能。
楽天経済圏に生きていれば、15倍以上のポイントを獲得することも容易だから、それだけでも、他のネット書店より圧倒的に得。
この「おまとめ店」は、398円の送料がかかり、その点では、送料無料の「楽天市場店」の方がよさげに思える。
しかし、1冊当たりの単価が違う。
例えばおまとめ店では、最安値が110円だが、「楽天市場店」の最安値は233円。
同じ本の価格が100円以上違ったりするのだ。
だから、4~5冊以上本を買えば、送料を含めても「おまとめ店」の方が安くなる。
しかも、配送スピードが違う。
「楽天市場店」の送料無料は、《ゆうメール便》での配送となるので、土日祝日の配達がない。
しかし、「おまとめ店」では、注文後24時間以内に発送の上、ヤマト運輸『宅急便』か
日本郵便『ゆうパック』の配送だから、土日祝も関係なし。
それでいて、一律送料398円というのは非常に良心的だ。
3,980円以上まとめて購入すれば、そんな送料さえもかからないというのは最高すぎるが、そうでなくても、十分利用する価値がある。
読書好きで、ある程度まとめて本を買いたいならば、「おまとめ店」一択ではないかと思っているほど。
だから僕は、最近、もっぱら頻繁に利用しているのだけれど、先日ちょっとしたトラブル(というほどでもないけれど)があった。
しかし、そういった時のサポート対応についても申し分なかったので、あらためて僕はこのショップがとても気に入った。
この件については、じっくり書いておきたいので、稿をあらためたい。
*1:書店側が、事前に仕入行為を行わなくても、一定期間は返品可能な商品が、取次経由で配本される制度。別途、買切注文販売の商品もある。