昨日の節分。
デパ地下の食品売場は、さまざまな恵方巻き(&もどき商品)で溢れていた。
僕は、そのヒートアップぶりを、ちょっと冷めた心で眺めていたが、いきなり、そんな心が熱くなるのを感じた。
なんと…。
餃子節分ロール
などという商品案内看板を見かけてしまったからだ。
販売していた店は、「好餃子(ハオチャオズ)」。
首都圏地区のデパートに数多く入っている、テイクアウト専門餃子店の大手だ。
この店は、商品開発意欲が旺盛で、季節やイベントにあわせて、さまざまなジャンルの餃子を発売している。
ただ、これは流石にちょっと意表を突かれた。
そもそも、見た目が、まるで餃子じゃない。どう見たって恵方巻きを意識していることは明らかだったからだ。
僕は、この看板を遠目で見た時、「恵方巻き」の具の部分が「好餃子の具」に入れ替わったもの、だと考えていた。
餃子ライスの太巻版、恵方巻きバージョンのようなものだと思ってしまったのである。
僕は、以前から力説しているように、「小麦粉が作り出す皮と食感の存在がなければ、餃子とは認めない」派、なので、この商品についても、華麗にスルーするつもりだった。
それに、「餃子節分ロール」というネーミングにも何となく馴染めなかった。
なぜ、恵方餃子巻きと言わないのか。例えば節分ロールを名乗るにしても、餃子節分ロールではなく、節分餃子ロールの方が自然ではないか。色々な点で、違和感ばかりが浮かんだ。
しかし…僕は結局、この商品をゲットした。
しっかり確認してみると、その内容が、第一印象とは異なっていたことに気がついたからだ。
商品説明に曰く…。
餃子の具を中華まんの生地で包み、風味の良い海苔で巻きました。
とのこと。
そうだったのか!と、僕は、得心した。
餃子の具を巻いているのは、ご飯じゃなくて、中華まんの生地。ならば、一応小麦粉の皮だ。
餃子とは認められないけれど、小麦粉が絡んでいるなら、「餃子関連食品」(?)として、一応取材しておかなければ…と、思い直したのである。
見かけは恵方巻きでも、ジャンルとしては中華まん系。
だから恵方巻きを名乗ることができなかったのか…などと納得しつつ、僕はそれを家に持ち帰った。
餃子節分ロールのパッケージ。「節分ロール」というシールがベタッと貼られている。
ここで僕は、ハタと気がついた。
これは僕の勝手な推測だけれど、このシールは、スイーツコーナーで販売されていた(に違いない)各種節分ロールとの【共用】シールだ。
そう考えると、「節分餃子ロール」ではなく、「餃子節分ロール」などという中途半端な名前になっていることも納得がいく。
要は、デパート側が仕掛けた節分ロールフェアに、餃子店の「好餃子」が乗った、という形なのだ、きっと。
…と。そんなことはどうでもいい。
本来の意味での恵方巻きとは異なる食べ物けれど、一応、「恵方巻き風」ではあるし、スタイル的にまるかぶりすることも可能。
ならば、早速実食、実践してみよう…ということで、僕はパッケージの蓋を開いた。
具には、たっぷり餃子の具と思われるものが詰まっている。
リフトアップ写真。
側面には、「好餃子」での購入時に付属してきた酢醤油をつけている。
僕は、諸般の事情(?)で、左手の自由があまり効かなくなっているのだけれど、このぐらい軽い食べ物であれば、何とか掴むことは可能*1だった。
いざ、実食!
と、その前に大事なことを思い出した。僕は、この餃子節分ロールを「恵方巻きとして」食べるのだから、そのルールに従わないといけない。
そのルールとは、Wikipedia曰く
節分の夜に、恵方に向かって願い事を思い浮かべながら丸かじり(丸かぶり)し、言葉を発せずに最後まで一気に食べきると願い事がかなう
ということであり、今年2018年の恵方は南南東。
南南東を探すにあたり、僕は、あいにく方位計を持っていなかったが、全く心配はしていなかった。
スマホアプリが存在しているに決まっていると思っていたからだ。
果たして…。
やっぱりあった!
単なる方位計もあったけれど、こういった恵方巻き専用のアプリまで、何種類も存在していた。いやぁ、便利な時代になったものだなぁ。
ということで、このアプリを立ち上げ、iPhoneの向きを変えていくと…。
南南東を発見!
ということで、僕は、この「餃子節分ロール」に願いをこめながら、かぶりついた。
僕の願いは、次のひとこと。
「今年の東京マラソンで、完走できますように…。」
という願いを心で唱えながら、僕は無言で食べ続けた。
最初は、「この怪我が治りますように」か「東京マラソンに出られますように」という願いにしようかと思った。
ただ、最近災難続きなので、この怪我が治っても別の怪我が起きるかもしれないし、東京マラソンに出走できるならやっぱり完走したいし…ということで、この願いに落ち着いた。
そもそも、この節分餃子ロールに恵方効果があるのかどうか疑問だけれど、僕は一応餃子ランナーだから(?)、餃子の神が、きっと僕の願いを叶えてくれるものだと信じて完食。
あとは、ひたすら信じて、当日を迎えるだけだ。
肝心の節分餃子の味は…まぁ、これは縁起物なので、味については、二の次ということで、お察しいただきたい。
それでも、あえて一言でいうならば…。
肉まん味だったw
*1:いざ食べるときは、右手に持ち替えて食べたけれど(^^;