驚いた。
仕事始めで、賑わう職場内に、いきなり緊急地震速報が鳴り響いたからだ。
僕は、「SIMフリーのiPhone SE&IIJ mioの格安SIM」という組み合わせで利用しているが、それでもしっかり警報が受信できる。
それは、過去の地震時に経験済み。
今回も、しっかりと緊急速報は発せられていた。
しかし、たとえ僕の端末がうまく動作しなくても、昨日は全く問題なかった。
同僚たち、誰も彼もの端末から一斉に鳴り響いたので、轟音と言える状態。地震も恐いが、警報音がここまで渦になって押し寄せてくると、それはまた、別の、大きな恐怖だ。
しかし、僕はすぐに気を取り直した。警報におののいている場合じゃない。もうすぐ大きな揺れが来る。あとはどうやって冷静に対処するかどうかだけ、だと思ったからだ。
僕は大いに身構えて、「その瞬間」が来るのを待った。
しかし。
5秒…10秒…30秒…。1分たっても、「その瞬間」が訪れることはなかった。
緊張が走ったオフィス内の空気も、少し変わってきて、スマホなどで、状況を確認している人も出てきている。
結局、東京の体感震度はゼロ。
緊急地震速報は、「最大震度5弱以上が予想される場合、震度4以上の可能性がある地域に出される」ものだから、誤報だったということになる。
ただ…。
この誤報には理由があったことが判明した。
昨日の朝、富山と茨城で、ほぼ同時刻に発生した二つの地震を、ひとつの大きな地震と判定し、そのため警報に繋がったようだ。
こういったこともあるんだなぁ…。
僕は、地震予知の難しさをあらためて感じるとともに、「本当の」大地震でなくてよかったと、胸をなで下ろした。
今回のケースを参考に、地震予知の精度が上がっていくことを願いつつ、僕の仕事始め1日目は終わり…床についた。
直後。
ドカン、という衝撃で、僕は思いっきり起こされた。
震源は、千葉県北西部。東京の震度は4。マグニチュードは4.8ということで、そんなに大きな規模ではない。
しかし、震源の深さは約80kmと浅く、しかも、東京直下に近い位置で発生したため、大きな震度になったのだと思う。
僕が今回怯えたのは、地震そのものもさることながら、昼間はあれだけ大きく鳴り響いた「緊急地震速報」が鳴らなかったこと。
その原因は、おそらく次のようなものだった。
解析や伝達に一定の時間(数秒程度)がかかるため、内陸の浅い場所で地震が発生した場合などにおいて、震源に近い場所への緊急地震速報の提供が強い揺れの到達に原理的に間に合いません。
だから…今後予想されている「首都直下型の大地震」について、地震速報は、きっと無力だ。
昨日1日で、僕は、地震について色々なことを考えた。
速報に驚きすぎないよう、また、たとえ速報がなくても、大地震発生時に冷静に対応できるよう、努めていかなければ、と。
いずれにしても、大地震など来ないことが一番いいのだけれど…。