5月12日からの緊急事態宣言延長に伴い、東京都は、劇場や演芸場への休業要請を緩和した。
劇場や演芸場、イベント会場などは、「人数上限5000人かつ収容率50%、午後9時まで」といった基準を満たせば、営業可能になったのだ。
それに対して、映画館、特に複合スクリーンが売りのシネマ・コンプレックス(シネコン)については、引き続き規制がかけられるようになった。
僕は、その点について、どうにもこうにも理不尽を感じていた。
あまりにも不公平な措置じゃないか。
映画館のスクリーン内は、密閉空間ではあるものの、天井が高い上に十分な換気が行われている。
朝の通勤電車などより、よっぽど安全な環境だ。
加えて、最近のシネコンでは、「入場時のアルコール消毒、検温」「マスク着用必須」「上映中の飲食禁止」「整列退場」など、徹底した感染防止対策がとられていた。
上映中は、皆同じ方向を向いて、黙々とスクリーンを眺めるだけ。
いったい何が危険なのかわからない。
そもそも、これまで、映画館でのクラスター発生例などはなかった筈だ。
それなのに…。
僕は、そんな映画館が休業要請に追い込まれることが、どうにも理不尽でならなかった。
東京都による措置は、《人流の抑制》が目的とのことだが、東京都というくくりで休業要請をかけることが、抑制になっているのか、極めて疑問。
八王子市の「TOHOシネマズ南大沢」は休業なのに、「TOHOシネマズ柏」や、「TOHOシネマズ川崎」は、ほぼ普通に*1営業しているからだ。
23区民からすると、南大沢に行くのと、柏や川崎に行くのでは、感覚的にほぼ変わらない。
いや。場所によっては、柏や川崎の方が楽に行ける人も多いだろう。
だから、映画好きの人たちは、近県の映画館に流れていっているようだ。
東京都が、理不尽な規制を行っているため、無駄に感染リスクのある地域を広げているように思うのは、僕だけだろうか。
僕も、一応映画好きの端くれだから、やっぱりストレスがたまる。
昨日は、どうしても見たい映画があり、他県遠征も考えたが、なんとかぐっと我慢。
渋谷のミニシアターで、その映画が上映されていることを確認できたので、渋谷まで繰り出すことにした。
東京都内であっても、ミニシアターであれば休業要請対象から外れていたからだ。
昨日の渋谷は、人流でごった返しており、スクランブル交差点の人混みを見ると、「本当に今は緊急事態宣言下なのだろうか?」と疑うレベルだった。
しかし、それも無理はないと思った。
渋谷の街は、百貨店や商店なども、若干の規制はあるものの、普通に営業中。
【withコロナ】状態に慣れてしまった人たちは、店が開いているなら、普通に街へ繰り出していくに決まっている。
僕は、人混みをかき分けながら、目的地であるミニシアターへ。
スクリーンに入る前に、1人1人細かくチェックされ、消毒と検温。
座席は1席おきの配置となっており、食事は禁止。(ドリンクのみ可)
上映前には、係員が、違反客をチェックすたるめに、見回りまで行っていた。完璧な感染防止対策だ。
映画はとても面白かった。
1席おきになっているせいで、左右も気にならず、前の人の頭などに悩まされる心配もなく、実に素晴らしい環境で映画鑑賞ができた。
渋谷まで遠征して良かったと思う。
ただ…。
僕はやっぱりモヤモヤした気分が残った。
昨日僕が訪れたのはミニシアターだから、スクリーンはそれほど大きくなかったが、だからここはOKで、シネコンはNGということにはならないと思う。
シネコンは、複数のスクリーンを有しているため、結果的に全体規模が大きくなるだけであって、シネコン内にも、これぐらいのスクリーンはあるからだ。
シネコン最大のスクリーンであっても、イベント会場などよりは座席数が少ないのだから、このシアターと同様の措置をとれば、営業しても全く問題ないと思うのだけれどなぁ…。
*1:20時までに営業終了という縛りはあるようだ。