僕は、アニメ映画に関しては全くの素人であり、興味もない。
これまで無数にテレビ放映されてきた、ジブリの大ヒット作品群さえ、1回も見たことがないほど。
「となりのトトロ」を1回も見たことがないと言う、かまいたちの山内*1にだって勝てるのが自慢だw
しかし、そんな僕が、人生で生まれて初めて、劇場でアニメ映画を見ることを決意。
先週末、公開早々見に行った。
その映画とは…。
劇場アニメ「アリスとテレスのまぼろし工場」
岡田麿里監督の書き下ろし作品だ。
アニメに関しては全くの素人である僕が、この映画を見に行くことを決めた理由は、僕の敬愛する中島みゆきさんが、主題歌を担当したこと。
それだけじゃない。
みゆきさんは、この映画の台本を読んで感銘を受け、《絶大なる「推し」です!》とまで仰ったのだ。
中島みゆきファン歴40年超を誇る僕としては、絶対に見逃せない、と思った。
加えて…。
映画の予告編で、主題歌「心音(しんおん)」が公開されて以降は、もう、いてもたってもいられなくなった。
先週9/12に、映画公開に先駆けて発売されたCDをゲット。
僕はそれを、すり切れるんじゃないか?*2と思うぐらい聞いて、映画に劇場に臨んだ。
そんな大きな期待とはうらはらに…。
僕は、本編開始から1時間以上、大きなストレスを感じることとなってしまった。
アニメーションは綺麗だったと思う。
ただ僕は、物語の甘ったるさと、難解なストーリー設定についていけず、取り残されてしまったのだ。
もちろん、作品に罪はない。
僕が、こういったアニメ映画への耐性を持っていないだけ。理解力、想像力が不足しているだけ。
それはわかっているのだけれど、でも、僕は睡魔と戦うのが必死になるほど、きつかった。
やっぱり、《中島みゆきが主題歌を担当している》という理由だけで、慣れない世界に入り込んじゃいけないんだなぁ…と大きく後悔した。
また、ひとつ誤算もあった。
僕は、主題歌「心音(しんおん)」のカップリング作品「有謬(うびゅう)の者共(ものども)」を、勝手にこの映画の挿入歌だと勘違いしていたのだ。
しかし、それは僕の勝手な勘違い。
「有謬の者共」は、この映画と何の関係もなかったのである。
僕は、物語の途中で「有謬の者共」が流れるものだと思い込んでいたから、それがいつまで経っても出てこないことで、ストレスがさらに募った。
ラスト30分。
クライマックスに突入した頃、僕は、全体のストーリーが朧気ながら理解できてきた。
これで話が繋がるのかと(ようやく)得心し、ラストシーンには、ちょっと胸が熱くなる。
そして。
エンドロールとともに、主題歌の「心音」が流れ始めた時、僕は、それまでのストレスが一気に昇華されるのを感じた。
その歌詞の一言一句が、まさに、この映画のために書き下ろされたということが実感できたからだ。
この映画の主題歌なのだから、当然と言えば当然なのかもしれないが、難解だと思えた物語が、一気に氷解したのは衝撃。
映画鑑賞前に、あれほど聞き込んでいた歌なのに、鑑賞後は、全く違った世界を見せてくれる。
まさに、この映画と主題歌は一心同体。
みゆきさんが、ここまで惚れ込み、《絶大なる「推し」です!》とまで言い切って作り上げた作品だということを実感した。
いやぁ、本当に素晴らしい。素晴らしすぎる。
この主題歌を、劇場の大音響で聴くことができただけでも、見に行った価値があったと僕は思っている。
主題歌「心音」にたっぷり詰まった、この映画の世界観を踏まえて、もう1回見に行くことも検討中だ。
映画のタイトルにある、アリスとテレスっていうのが、いったい何なのかは、未だよくにわからないけどw