いやぁ、凄かった。強かった。
とにかく、青山学院大学の強さが突出していた箱根駅伝だった。
8区までで、2位の順天堂大学に4分以上の差をつけていたから、「総合優勝するだけ」なら、安全策をとることもできただろう。
しかし、なんと、9区の中村唯翔が、区間記録を46秒も更新する快走。
さらにそこから襷を繋いだ10区の中倉啓敦が、攻めの姿勢を貫いて激走。
堂々と、笑顔のガッツボーズでゴールテープを切った。
10区でも、従来の記録を50秒も更新して区間新でのフィニッシュ。
青山学院大学としては、総合新記録、復路新記録も達成して3冠。
2位の順天堂大学に、10分以上も差をつけるド圧勝だ。
いやぁ、もう、凄い。凄すぎるとしか言えない。
青学が優勝に向けて独走している間に、別のドラマも生まれていた。
箱根駅伝においては、《優勝》というテーマの他に、《シード権争い》というテーマが存在する。
10位までに入ったチームは、翌年の出走権が自動的に付与されるが、11位になると、苛酷な予選会に出場しなければいけないからである。
10位と11位とでは、天国と地獄の差があるのだ。
そんなシード権争いでは、フィニッシュテープまで残り1kmを切った時点で、なんと
10区が入れ替わる。
9区終了時点では、東海大は8位、法大は11位だったから、大逆転といっていい。
こういうことがあるから、箱根駅伝は、最後まで目が離せない。
今大会において、僕の個人的なドラマは、母校中央大学の躍進。
1区吉居大和の区間新を皮切りに、後続の選手も手堅くまとめて、往路は5位でフィニッシュ。
7区で7位に落ちてしまった時は、「ちょっと危なくなってきたかも…」と心配になったが、8区中沢雄大の好走に続き、9区湯浅仁が快走。
鶴見中継所に3位で入ってきた時には、思わず大興奮した。
あぁ、やっぱり、鶴見中継所に行きたかったなぁ…。
沿道応援の自粛要請を守って、テレビ観戦したことを悔やんだ。(テレビで見る限り、実際の沿道は人、人、人だらけだったし…。)
ただ、まぁ、今更そんなことを言っても仕方ないので、テレビで思いっきり10区の応援を行うことにした。
このまま3位を守り切れば21年ぶりの快挙達成ということで、欲が出てしまったが…。
10区の17km地点あたりで、駒大に追い抜かれ、いったんは抜き返す(!)という意地を見せたものの、逆にそれが負担になったのか、最後は6位になってしまった。
でも。
目標だったシード権は楽々クリアして、6位でフィニッシュ。
大会終了後、藤原正和監督が、テレビ番組のインタビューに登場。
かつて中大のエースとして君臨し、社会人になって以降も、東京マラソン優勝実績を持つ、名ランナーだ。
中大監督就任後6年目にして、古豪の再生に成功した藤原正和は、「2年後の第100回大会で優勝を目指したい」と、堂々宣言した。
是非ともそれを達成できるよう、応援し続けていきたいと思う。
その時には、是非とも、堂々と沿道で応援できるようになっているといいのだけれど…。