箱根駅伝2024が終了した。
終わってみれば、青山学院大学の圧勝だった。
3区の太田蒼生選手が、駒大の佐藤圭汰選手を振り切って首位に立つと、その後の選手たちも区間賞を連発。
往路新記録で初日の大会を終え、2日目の復路も快走を重ねた。
最終的には、2位の駒沢大学に、なんと6分半もの差をつけ、影をも踏ませぬド圧勝。
あまりに独走だったため、ラスト10区の宇田川選手は、レース後のインタビューで、「ピクニックランだった」とまで言っていたほど。
心理面でも圧勝だったのだ。
レース後の原監督は、今回の箱根駅伝が「第100回大会」ということだけではなく、今年が「青山学院大学創立150周年」「監督就任20年」だったことにも言及。
そんな記念すべき年のレースを、大会新記録の完全優勝で制するのだから、お見事というしかない。
いやはや本当に「持っている」監督だ。
頑張った選手たちに感謝の言葉を述べた後、「…そして、妻、美穂(にも感謝している)」と述べたのは男前すぎる。
こういった監督だから、《常勝》青山学院大学に生まれ変わったのだなぁ…と実感した。
ただ、今年の箱根駅伝が始まる前は、決して青学圧勝ムードはなかった。
今期の学生三大駅伝において、出雲と全日本を制したのは、どちらも駒沢大学であり、駒沢が《三冠》を制すると見られていたのだ。
実際、今回の箱根駅伝でも、3区に入るまでは「やっぱり駒沢か…」というムードもあった筈。
しかし、そこからが凄かった。
青学は、事前に掲げた「負けてたまるか大作戦」のスローガン通り、攻めのレースを貫いて3区で首位を奪うや、あとは、もう、いつもの独走パターンを築いていくばかりだった。
…ということで今回の箱根駅伝は、強すぎる青学に敬服だったのだけれど、その一方、つらすぎる事態も発生していた。
青学とともに、「駒沢の対抗格」とみられていた、中央大学の状況だ。
昨日のエントリーでも書いたのだけれど、昨年末の直前合宿で、選手たちが風邪に集団感染。
エース吉居大和選手を含む、16人中14人が罹患してしまった。
これではまともに走れるわけがない。
往路13位の惨敗は《必然》だったのだ。
復路では、いったん光明もあった。
6区の山下り。一斉スタートから、浦田優斗選手が、区間5位の快走で10位に浮上したのだ。
続く7区では、エース吉居大和選手の弟、駿恭選手が登場。
道中、脇腹を押さえて苦しそうなシーンもあったのだけれど…。
兄の大和選手から給水を受けて以降、復活。
区間賞の快走を見せた。
昨日の2区で、体調不良に伴う不調にあえいだ兄のリベンジを果たしたのだ。
この時点で、11位の帝京大学に2分差をつけていたので、セーフティリードだと思っていたのになぁ。
しかし…。
8区の阿部陽樹選手が区間22位の大ブレーキで12位に後退。
9区の白川陽大選手も区間16位で、シード権は遠のくばかりとなった。
結果…。
13位…。
3年ぶりの予選落ちだ。辛すぎる。
藤原監督は、マネジメント側のミスとして、自分を責めた。
今後の進退について言及している記事もあったが、それだけは止めて欲しい。
確かにミスしてしまったのかも知れないけれど、近年、中大がかつての力を取り戻してきたのは、間違いなく、藤原監督の手腕だからだ。
今回の苦い経験を糧に、再び巻き返してくれることを祈りたい。