足柄峠走は、ランナーである僕にとって、最も大切なトレーニングメソッド。
敬服している岩本能史先生の著書で、その存在を知って以来、僕は、もう8年以上もこのコースに嵌まっている。
場所が場所だけに、気軽に行けるわけではないが、それでも、「ガチ」の練習をしたい時には、必ず訪れていた。いわば、僕にとって、特別な場所なのだ。
だから…。
去年の11月、満を持して出かけた際、僕は大きなショックを受けた。
山頂へ向かう道が、途中で封鎖されていたからである。
その理由は、今年の10月初旬に関東地方を直撃した、台風19号の影響だった。
僕は、その被害を甘く見ていて、下調べもせずに足柄峠へ向かったため、結局途中までしか走ることができなかった。痛恨だ。
その後、僕は頻繁に情報をチェックするようにしていたが、いつまで経っても、通行止めが解除される気配はなかった。
12月に入ると、週末も色々と予定の入ることが多くなり、僕は峠走のことを、ひととき忘れてしまう。
しかし、昨年末に久しぶりにチェックしてみて、僕は快哉を叫んだ。
おぉ、なんと。12月18日から開通しているではないか。
ということで、僕は、この年末年始の間に必ず訪れようと心に決め、ようやく、今日、
それが叶った。
僕は今日、午後に別件の予定があったため、始発で出発。家から2時間半かけて、足柄峠の麓である、山北駅に到着した。
時刻は、午前7時。
太陽は上り始めたばかりで、まだ、空は赤く染まっていた。
麓の拠点である、「山北町健康福祉センター」は今日まで休業中。
そのため、峠走のオアシスと言える「さくらの湯」も営業していない。
ただ、僕は今日、峠走後すぐに東京へ戻る予定だったし、館外には24h稼働のコインロッカーがあるため、個人的には問題なかった。
いつものように、山北鉄道公園から、やおら走り出す。
勝手知ったるコースであるが、走り始めは、とにかくきつかった。
なにしろ、とにかく、寒いのだ。風も強かったため、僕は、上りながら時々心が折れそうになった。
それでも、何とか頑張って登り続けて…。
地蔵堂入口に到着。前回、通行止めの看板が出ていた場所だ。
通行止めが解除されたのは嬉しかったが、気温表示を見て驚愕。
この時点では、日差しが結構出ていて、気温も上昇していたと思っていたが、それでも2℃。
僕は、極めて寒さに弱いランナーなので、走り始めがきつかったのも、当然だなぁと思えた。
ここから頂上までは、たった3km程度なのだけれど、傾斜が厳しくなるため、ここからが峠走のクライマックスと言える。
僕は、久しぶりにここを上れる嬉しさと、激しい傾斜による苦しさの狭間で、揺れ動く心に乱されながら、何とか足を進めていく。
途中、一カ所だけ片側交互通行になっている部分があったけれど、それ以外の道は、スムーズに進むことができた。
ただ、久しぶりの(フル)峠走ということもあり、僕は、息がもたず…。
最大斜度(14%)の辺りでは、何度も歩いてしまった。修行が足りないなぁ…。
それでも何とか耐えて走り続けていくと…。
足柄万葉公園に到達!
僕にとっては、昨年4月の花見峠走以来、9ヶ月ぶりの頂上だ。ここからは、雲がなければ絶景の富士山を眺めることができるのだけれど…。
今回も、分厚い雲に阻まれて、全くその姿を拝むことができなかった。残念。
ということで、僕は、すぐに登り続けた坂を下っていった。
峠走の素晴らしいところは、上りが本当に苦しい分、下りは最高に気持ちよく走れること。
行きも帰りも、走っている距離は同じなのに、何だか得した気分になるw
たいしたタイムではないけれど、僕なりに、上りでは心拍を、下りではスピードを鍛えることができた(と思う)。
やっぱり足柄峠走は最高だ。
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- 出版社/メーカー: 講談社
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