かすみがうらマラソンまで、あと2週間。
参加案内を受け取って、やっとそれに気がついた僕は、大いに焦った。
最近、僕は、単にダラダラ走っているだけの日常だったので、《レース仕様》の身体とは程遠い。
スタミナ練習も、スピード練習も不足している。
レースまでは、もうあまり時間がないので、それらをともに強化することは難しい…と思ったが、ひとつだけ方法があることに気がついた。
そう。峠走だ。
これは、僕の尊敬する岩本能史先生が推奨されているもので、このブログでも、以前から何度もご紹介させていただいている。
上りでは、推進力と心肺機能。下りでは、フォームと着地筋。それらをまとめて鍛えることができる、画期的なトレーニング法だ。
数年前(もう、遙か遠い昔のようだ…)のかすみがうらマラソンで、僕が3時間20分を切ることができたのも、間違いなく、この「峠走」のおかげ。
だから今回も、それにすがってみることにした。
ということで、昨日、僕は例によって早朝から足柄峠に繰り出した。
午前7時。麓の山北町健康福祉センターに到着。
センターの開館は午前8時半となっているため、以前は、その時間に合わせて来ていたが、昨年から、その必要がなくなった。
センターの外側に、24時間利用可能なロッカーが設置されたからである。
これで、どんな時間に到着しても、荷物を預けて走り出すことができる。素晴らしい。
麓では、桜の花が咲き始めていた。
晴れて、風もなく、気温もそれほど高くない。絶好のランニング日和。
僕は桜の花に見送られながら、坂道を駆け上っていく。
中腹の気温は、9℃。 やっぱり絶好だ。
僕は、最高のB.G.Mにも助けられ、ここまで快調に上ってきた。
…が。
傾斜がきつくなってくると、そのスピードが鈍り、そして、今回もやっぱり歩いてしまった。
足柄峠走トレーニングを初めて以来、8年。
僕は、もう、この峠を何十回も上っているというのに、未だ、歩かずに上りきったことがない。
ラン仲間には、初の峠走でも、歩かず上った人だっているのに!
僕は、今回もそんなダメダメな自分に溜息をつきながら、でも、何とか最後の力を振り絞って、また走り出し…。
足柄万葉公園に到達!
ここからは、好天であれば富士山が見える。
しかし、昨日は、厚い雲に阻まれて、その姿を拝むことはできなかった。残念。
富士山が見られず、ちょっと落ち込んでいた僕の心を救ってくれたのは…。
道中の桜だった。
上りで苦しい時も、僕は、時折見かける桜に癒やされながら、何とか気力を奮い立たせることができた。
下りでは、麓に近づけば近づくほど、桜が増えていくため、ウイニングラン気分で、最高。
そして…。
ラスト500mぐらいになると、沢山の人たちが、桜の撮影をしていた。
橋の下を通る電車と桜を、同時にカメラへ収めるべく、その瞬間を待っていたようだ。
僕は、そんな情景を微笑ましく眺めながら走り続けて…。
フィニッシュ!
麓では、山北鉄道公園のSLと桜が、僕を暖かく迎えてくれた。
昨日、山北町では「さくらまつり」が開催されており、公園内にも出店が並んでいた。
僕がここに着いたのは、朝9時半ぐらいだったため、まだ、人はまばらだったけれど、午後になったら、きっと賑わっていくのだろう。
出店をつらつらと眺めていると…。
ギョウザドッグを発見!
僕は、基本的に「餃子を名乗るまがい物」には否定的なスタンスをとっているが、このタイミングで見かけると、流石に気になった。
過去の経験上、《どう考えても肉まん》であることは明白。
だから、餃子だと思って食べると、きっと後悔する。
しかし、僕は、餃子ランナーである以上、取材(?)が必要かと思ったのだ。
出店に近寄ってみて…餃子ドッグの現物を確認。
なんと、450円もする!
しかも、やっぱりどう見ても縦長の肉まんだ。
僕は大いにためらい、そして食べることを諦めた。
いや、値段が問題なのではない。ツッコミどころは多そうなので、ブログネタ的にはアリだと思う。
しかし、これをネタにするためには、それなりにしっかりと、その味や具の内容などを記録しておく必要がある。
しかし、昨日の僕には、そんな猶予がない、ということに気がついたからだ。
僕は、別の予定も控えていて、9時59分山北発の電車に乗る予定だった。
山北駅に到着する御殿場線は、1時間に1本だけ。だから、絶対に乗り遅れるわけにはいかないのだ。
そう考えると…餃子まがいのものと戯れている時間はなく、僕は、急いで駅へと向かった。
(以下、続くw)