荒川河川敷で、天体コラボレーションを堪能した翌朝。
僕は、またしてもここに佇んでいた。
山北鉄道公園。
神奈川県、足柄峠の麓にある、僕の大好きな公園だ。
その看板となる蒸気機関車のD5270号は、筐体の正面に、しめ飾りがとりつけられており、正月らしい雰囲気を醸し出していた。
僕は、愛おしいSLに挨拶を告げた後、いつものように、坂を淡々と上り始めた。
足柄峠は、2018年の走り納めとして、1週間前に登ったばかり。
このときは、中腹の気温が0℃しかなく、とても寒かった。
が…。
今回の気温は、8℃。
1週間前の、凍える寒さに比べると雲泥の差だ。
時折吹きつけてくる北風は厳しかったものの、走り続けていれば、それほど寒さも感じないので、峠走としては、絶好の気候と言っていい。
僕は、今日こそ、歩かずに上りきれるんじゃないかと思ったほどだ。(結局歩いてしまったけどw)
いつもの僕のゴール地点、足柄万葉公園の希望の丘からは、晴れていれば、絶好の富士山を眺めることができる。
最近の峠走では、天候に恵まれないことが多かったため、僕は、今日こそチャンスと思い、祈りながら登り続けた。
そして。
希望の丘に到達!
さぁ、ここから、今日こそ絶好の富士山が眺められる!…と、思ったのだけれど…。
残念ながら、雲がかかってしまっていた。
裾野がはっきり見える分、昨年末よりはマシなのだけれど、それでも、やっぱりちょっと残念だ。
僕は、悔しい思いを抱きながら、でも、すぐに気を取り直した。
いつもならば、ここで下って終わり、というところなのだけれど、この日の峠走は、まだ先に目標があったからである。
希望の丘から数百メートル先に進むと、そこは、もう静岡県になる。
足柄峠を示す標。
周辺に、トイレや自販機が設置されていることもあり、僕は、この地点までは何度か来たことがあった。
この標から先は、ただ下るだけなので、進んでも意味がないと思っていたため、僕は、これまで全く足を伸ばしたことがなかった。
しかし。それは大きな間違いだった。
もちろん、下っていくことは確かなのだけれど、その途中で、実に魅惑的な場所があることを知ったからだ。
それは、「誓いの丘」と呼ばれる富士山ビューポイント。
僕のラン仲間たちは、峠走に絡めて、その場所を訪れ、絶景の富士山を堪能していた。
しかも、そこには、足柄峠から数キロ程度で行けると言う。
僕は、もう7年以上峠を走り続けているというのに、そんな場所があることを全く知らなかった。あまりに不覚だ。不覚すぎる。
幸い、この日の僕には、まだ余力も時間も残っていたため、僕は、そこに向かってみることにした。
「希望の丘」経由で「誓いの丘」へ。
なんだかロマンチックで格好いいじゃないか。
もしかすると、数キロ走っているうちに、雲が動いて、絶景の富士山が見えるかもしれない。いや、きっと見えるに違いない!
僕は、そんな思いを抱きながら、未知なる場所に向かって走り始めた。
少し進むと、足柄城址の石碑と案内板があり、そこから、道なりで右へ。
ここからは、金太郎富士見ラインに沿って走って行く。
Googleマップの案内によると、足柄城址から誓いの丘は、たった2km程度だったのだけれど、足柄峠を12km登りきったあとだったため、結構きつかった。
なかなかそれらしい雰囲気の場所に辿り着けず、不安になった頃…。
こんな看板を見つけた!
僕は、マラソン大会で「給水所まであと500m」の看板を見かけた時のように元気が復活して、ダッシュw
すると…。
誓いの丘に到着!
案内板には、「富士山とその周辺の眺望がとてもすばらしい景勝地です。」と書かれており、勢い、心が躍る。
しかし、そこから見える富士山は…。
やっぱり雲がかかってしまっていた。
空全体に、雲は殆どないのに、富士山のてっぺんあたりにだけ、ドカッと居座っている。何とも恨めしい雲だ。
しかし、今更それを言っても仕方がない。
富士山の全体が見渡せるだけ、ラッキーだったと思うことにした。
誓いの丘には、《誓いの鐘》も設置されていた。
おぉ、なんだか凄くロマンチックだぞ。
僕は、鐘越しの富士山を眺めながら、それを鳴らし、そして、自分に誓いを立てた。
詳しくは書かないが、今、僕は、大きな決断をしなければいけないことがある。それを、悔いなく果たしていくための、誓いだ。
雄大な景色の中、響く鐘の音。なんだか心が洗われる。
僕は、「あぁ、ここまで走ってきて良かったなぁ。」という思いで満たされた。
誓いの丘には、誓いの鐘の他に…。
ハート型のモニュメントもあった。
そこには、なぜかこのように、鍵が沢山繋がれていた。
これはいったいどういう意味なのだろう?
と、そのときはよくわからなかったのだけれど、帰宅してから調べてみると、理由がわかった。
富士山眺望日本一を誇るこの地『誓いの丘』に設置されている誓いのモニュメントに鍵をかけ、誓いの鐘を鳴らすと幸せが訪れると言われています。
なんと、そういうことだったのか。
僕も幸せが欲しいので、今度は鍵を持ってここを再訪することにしようw
誓いの丘は、ちょっとした公園のようになっており、他にも色々なものが設置されていた。
僕は、それらを堪能した後、足柄峠への道程に戻った。
峠から誓いの丘までは、下り基調だったため、当然帰りは上りになる。
僕は「また上らなきゃいけないのか…」と、ちょっと憂鬱になりながら、でも、頑張って走った。
足柄峠以降は、いつものように坂を駆け下りていくだけなので、気分が楽になり…。
結果、30km走を敢行!
今回は、誓いの丘でかなり時間を使ってしまったし、たいしたスピードも出せなかったけれど、何とか走り切れて、よかった。
高度推移。
山頂に辿り着いたあと、いったん下り、また登っているところが、いつもの峠走と異なる。
距離が長くなって結構きつかったが、でも、新鮮に楽しめた。いわば、僕にとっての足柄峠走、第二幕だ。
今度は、是非、誓いの丘で絶景の富士山が見たい。
快晴の日、鍵を持ってまた出かけようw
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