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- みどりの窓口記念日
- 畳の日
- 南洲忌
- 言水忌
時折、畳が恋しくなる時がある。
僕が今住んでいる家は、全面フローリング仕立てになっているので、
畳の部屋がない。
代わりに、置き畳というものを買ってきて敷き詰めているが、やはり、
存在感という点で、「本物の」畳には、遠く及ばないと僕は思う。
だから、たまに実家に帰ると、畳に突っ伏してその匂いを確かめる。
真新しいとまではいかないまでも、まだ、微かにイ草の匂いが残る
畳は、本当にいい。
日本が誇る文化の中でも、かなりポイントが高いのではないだろうか。
畳がいいところは、そのまま寝床にもなるところで、これはフローリングの
床にはできない芸当だ。
嘘だと思ったら、フローリングの床で一晩寝てみればわかる。
僕は何度も酔って経験したことがある*1が、翌朝は、体が痛くてたまらなかった。
しかし、畳は違う。一晩ゆっくり寝ても、体を痛めることはない筈だ。
この優しさがたまらない。
ただ、気をつけなければいけないのは、うつぶせや横向きなどで熟睡して
しまうと、顔に畳の跡がついてしまうことだ。
この「顔にタタミの跡がつく」という現象をエスカレートさせ、顔の一部が
タタミ化してしまう(!)という小説に仕上げてしまった作家がいる。
と、もったいぶって書くこともないだろう。
こんなテーマを思いつき、かつ、傑作に仕上げてしまう*2ことができるのは、
我らが天才筒井康隆氏以外に考えられない。
その名も「怪奇たたみ男」*3である。
有名な作品だからご存じの方も多いだろうが、是非一読をお薦めしたい。
※ちなみに今日は筒井康隆氏の71回目の誕生日でもある。
この「怪奇たたみ男」は、筒井さんが38歳の時に発表された小説なので、なんと、
今から33年も前になる。それほど前の小説なのに、全く古さを感じさせない傑作に
なっているのは素晴らしいし、今なお、現役で傑作を発表し続けている筒井さんの
凄さにも驚くばかりだ。