夕刊紙に「完璧」の文字が躍っている。
おそらく、明朝のスポーツ紙でも同じような報道になるのだろう。
しかも、武豊の日記がそれを後押しする。
これまでは、レース前の過熱報道に対して、どちらかと言えば慎重なコメントを
発していた武豊がここまで言うのだ。
「英雄」の走りをライブで見にきてください
ディープインパクトの追い切りで栗東トレセンへ。報道陣の数の多さときたらいつものGI以上と言ってもいいほどで、あの馬の圧倒的な存在感を改めて感じました。
追い切りはDWの予定と聞いていましたが、今朝になって芝コースに変更。これは、昨日の夕方、池江先生がDWとCW、芝の3つのコースを自ら走って、その状態を確かめた結果だそうで、その姿勢には頭が下がります。と同時に、その走っている姿を見たかったものだと思いました。市川厩務員と、「その映像があれば、調教ビデオとして流してほしかったぐらいですよね」と笑いあったほどです。
動きはもう、文句のつけようがありません。軽く仕掛けただけで10秒5という切れ味。もちろん、ギリギリの仕上げではありませんが、ディープならこれで十分でしょう。皆さん、「英雄」の素晴らしい走りを、是非ライブで見にきてください。きっと満足いただけると思います。
正直言うと、僕は、札幌以来の追い切りで、併走馬に遅れたり、もたついたりする
ディープインパクトの姿に不安を感じていたのだ。
いくら「我慢を覚えた」などと言われても、我慢なんかしなくても楽勝してきた馬なの
だから、逆に、レースに行って必要以上に我慢しまう心配さえ抱いた。
だから、今回の追い切りは本当に注目していたのである。
最初は「なぜ芝?ダートで追いきれない理由ができたのか?」と不安を覚えた。
それまでの調教パターンをあえて崩す必要がなぜあるのかわからなかったからだ。
しかし、その疑問は武豊の日記で氷解した。
名伯楽、池江師の決断とあれば、これは信じるしかないだろう。
ラスト1F10.5秒という数字は、芝コースということを考えれば、ディープインパクトに
とっては何と言うこともないように思える。
しかし、それでも、併走馬を一気に突き放したという点は大きい。
この豪脚こそが、春を思い起こさせるディープインパクトの脚だ。
万全の態勢で迎える秋初戦。
果たしてどんなインパクトを見せてくれるのか、本当に楽しみになってきた。