予習不足が、最大の敗因だった。
今回の札幌遠征では、北海道マラソンの前夜も、レース後も、 餃子店以外でのイベントが組まれていた。
だから僕は、餃子店にこだわらないつもりで、特に下調べをせずに、札幌入りした。
しかし、僕はやっぱり餃子ランナー。我慢できる筈などなかったのだ。
到着日である北海道マラソン前日は、JALのトラブルに遭遇したため、ラン仲間が待つ前夜祭には、少し遅れて到着。
前夜祭の店に餃子はなかったが、宴の終了後、ホテルへ向かう道すがら、「餃子の王将」があり…。
こんな看板にかなり心が揺れた。
しかし、僕は前夜祭でかなり食べ過ぎており、レース前日の暴食は避けたかったので、何とかこらえることができた。
ただ、レース後となれば話は別。どんなに食べても呑んでも許される。それが、レース翌日の至福だ。
チームはてブロでの、最高すぎる青空打ち上げで、餃子をいただいたこともあり、僕の餃子熱に、さらに火がついた。
青空打ち上げ後、僕は、JR札幌駅へ。前夜祭メンバーとの打ち上げ会場に転戦した。
一次会は既に終了間際だったため、「二次会で餃子を!」と、僕はみんなを誘って繰り出すことに。
ただ、その当日の便で帰るメンバーもいたので、僕らには、あまり時間がなかった。
ここで、僕の予習不足が祟る。
札幌駅構内、或いは近隣で、「これは!」という餃子店をチェックできていなかったのだ。
慌ててWebでチェックした、ちょっとよさげな店は、日曜休業の店だったり、持ち帰り専門店だったりして、軒並みアウト。僕らは大いに困った。
ということで…。
とりあえず、ここに行ってみることにした。
ラーメンと餃子は相性がいい筈なので、これだけラーメン店があれば、サイドメニューとして美味しい餃子もある筈だと思ったのだ。
しかし、いざ、そのフロアに行ってみると、メニューに餃子がなかったり、あっても平凡っぽいものだったりした店が多かったので消沈。
僕らは、どうしようかと迷ったが、1軒だけ、ちょっと気になる店があった。
この店の、「パォギョーザ」というものだった。
ちょっと変わった感じがして面白そうだったので、ここに決め、入店。
店内にもポスターが貼ってあり、一応、店では推しのメニューっぽかった。
およそ餃子っぽくないビジュアルではあるものの、僕は、「海老ニラ焼きまん」的なイメージを抱いて、少し期待を抱いていた。
パォギョーザは、注文後、わずか数分で運ばれてきた。
あまりにも早く出てきたことや、ポスターよりも平板っぽいビジュアルに、ちょっと嫌な予感がしたが、いい方向に裏切られることを祈って、囓ってみると…。
うーん。
具は、練り物風味で味わいがないし、皮も、さくさく感とはほど遠い。そもそも、いったいこれは、餃子なのだろうか…?と、思うような食べ物だった。
餃子でなく、「ギョーザ」。しかも「パォギョーザ」などという名前なのだから、本格的な味を期待する方が間違いだったかもしれない。
そもそも、この店はラーメンが売りの店なのだし、少しでも期待した僕が馬鹿だった。
ただ…。
餃子と並んでポスター告知されていた「焼シューマイ」は、肉肉しくって、いい色に焼けて、なかなか美味しかったのだ。
それだけに、ちょっと残念…。
僕の餃子チョイスに期待してくれたラン仲間に対して、本当に申し訳ないことをしてしまった。
やっぱり、事前の下調べはしっかりしておかなければいけないよなぁ…と、深く反省。
店を出て、当日帰りのラン仲間を見送ったのち、僕は、翌日帰りのメンバーを誘って、すすきのまで繰り出した。
すすきのには、間違いなく美味しくて、しかも、日曜夜でも開いている店がある。
そこで、しっかりと美味しい餃子で口直しをしてもらおうと思ったのだ。
その名は、「香州」。
この店の餃子ならば、間違いなく、喜んでもらえる筈だった。
ということで、すすきの駅を降りると、僕は、勇んで店に向かった。
到着!
店の灯りは煌々と輝いていた。よっしゃ、これでリベンジだ!
その時点では、まだ午後8時前だったし、僕は、何の心配もなく、美味しい餃子でリベンジできると思っていた。
ところが、店の入り口まで来て、僕は、呆然と立ち尽くすことになる。
なんと…餃子売り切れorz
入店してから「売り切れですよ」と言われなかっただけマシなのかもしれないが、売り切れの事実は変わらない。
僕は、再度ラン仲間に深くお詫びした。そして、そのまま解散することに。
皆、ホテルは、すすきの周辺ということだったので、これ以上、僕の迷走につきあわせるわけにはいかない。
香州がダメだと、あらためて調べ直さなければいけないし、そこでまた外れだと、皆にさらなる迷惑をかけてしまうからだ。
ということで、僕は仲間と別れたものの、なんとなくすぐホテルに帰る気分にはなれなかった。
とうことで、モヤモヤした気分を抱えながら、狸小路商店街をぶらぶらと歩いていると、とある店の看板が目に留まった。