悲しくて、切なくて、泣きたくなる。
僕が子どもの頃から大好きだったSF作家、横田順彌先生の訃報が届いたからだ。
SF作家の横田順彌さんが1月4日、73歳で逝去されました。
— 早川書房公式 (@Hayakawashobo) January 16, 2019
「ハチャハチャSF」と称された作品のほか、古典SFの研究家としても知られ、小社のSFマガジンには2018年2月号まで「近代日本奇想小説史」を連載されていました。心よりお悔やみ申し上げます。
SF作家の横田順彌さん死去 https://t.co/xnrBSCgX1u
早川書房の公式Twitterに書かれている通り、去年の2月までは、同誌で、連載ページを担当。
最後の回でも、横田順彌先生らしい健筆をふるっておられた。
S-Fマガジン2018年2月号
この回で34回目。もう、4年半以上も続いている長期連載だった。
しかし、この号を最後に、連載は中断してしまう。
「SFマガジン」誌では、執筆者紹介というページがあり、本人による、トピックが掲載されるのだけれど、同号で、先生は…。
病院疲れについて書いておられた。
あぁ、この頃から、相当に大変な状態だったのだなぁ…。
このトピックを最後に、SFマガジンでの連載はストップ。もう、再開されることはなくなってしまった。無念で仕方がない。
横田順彌先生は、古典SF研究家の第一人者であり、特に、日本SFの祖と言われる、押川春浪研究家だった。
快男児 押川春浪 (徳間文庫)
この作品においては、第9回(1988年)の日本SF大賞も受賞している。
押川春浪は、折しも、今年の大河ドラマ『いだてん』で、武井壮が演じ、話題になっている人物。
横田順彌先生は、日本において、誰よりも早くその凄さに気がつき、訴え続けてきた。
だから、このタイミングでの逝去の報は、残念で、悲しくて仕方がない。
横田順彌先生は、今でこそ、古典SF研究の大家となっているが、デビュー以降しばらくは、「ハチャハチャSF」と呼ばれる破天荒な小説群で有名だった。
子供の頃、僕は、小説に惚れまくった。
当時は、《ヨコジュン》という愛称で呼ばれていたことを思い出す。
僕の本棚にあった、横田順彌先生…ヨコジュンの作品たち。
読んだ本は、もちろんこれだけじゃない。実家には、まだまだ多数の本が残っている筈だ。
本棚には、「SFワールド」のヨコジュン特集号もあった。
かなりボロボロになってしまっているが、なにしろ、昭和60年(1985年)刊行の雑誌で、すり切れるまで読みまくったのだから、仕方ない。
あらためて読み直してみると、胸が詰まりそうになった。
あぁ、若い。
当時、多くのSFファンを惹きつけて止まなかった笑顔が、とても印象的だ。
山田正紀先生との豪華対談。
この時も、「押川春浪」研究家としての夢を語っておられたことが、とても印象的。
押川春浪本で日本SF大賞を受賞し、大家となった今でも、とても精力的に研究を続けておられた。
まだまだ志半ばだったと思うし、今こそ、再び脚光を浴びるべき先生だったと思うので、どうにもこうにも残念で、無念でならない。
合掌。