昨晩、退勤後、書店に駆け込んで購入。手にとった瞬間から、興奮した。
SFマガジン 2017年 06 月号
この日が来るのを、どれだけ待ちわびたことだろう。
ついに、SFマガジンで、「筒井康隆自作を語る」の連載が始まったのだ。
興奮せずにはいられるものか。
僕は、子供の頃からのSFファンで、SFマガジンは、もう数十年来の読者。だから、SFマガジンという雑誌を、こよなく贔屓にしている。
しかし、それ以上に別格なのが、筒井康隆先生。
子供の頃、筒井先生の作品に出会わなかったら、僕の人生は、間違いなく、違っていたものになっていた筈だし、僕が僕でなくなっていたかと思う。
当時、僕は、筒井先生の作品を、何から何まで貪り読んだ。文庫、単行本は言うまでも無く、全集、ファンブックまで、何もかも。
既刊の作品を全て読み尽くしてしまうと、新作が恋しくなり、筒井先生の新作が掲載されていれば、どんな雑誌でも買った。
小説新潮、オール讀物、SFアドベンチャー、奇想天外、海…などなど。今は亡きSF雑誌や純文学誌を含め、何でも。
残念だったのは、僕が筒井先生の作品を読み始めた1980年代以降、筒井先生の新作は、SFマガジン誌に掲載されなくなってしまっていたこと。
筒井先生がSFマガジン誌に登場されたのは、イレギュラーな形での掲載2点*1を除けば…。
1990年発刊の創刊400号記念特大号以来、になる筈。
この時も、実に久しぶりの登場だったが、SFマガジン巻頭に新作が掲載され、感動したことを思い出す。
今回は、新作小説の掲載ではないけれど…。
2年半前、僕が夢見心地で参加した、「あの」トークイベントの採録なのだから、興奮せずにはいられない。
しかも、今回もSFマガジンの巻頭を飾り、14ページにも及ぶ圧巻の内容だ。
誌面には、トークで語られている時代に沿った広告なども盛り込まれており、実に充実している。
本来、この連載は、2年前のSFマガジンでスタートする予定だった筈だったのだけれど、なぜか延び延びとなり、立ち消えになってしまったのかと、僕は、諦めかけていた
だから、本当に嬉しい。あまりに嬉しくて、昨晩は、深夜まで、何度も何度も貪り読んでしまったほど。
あの時の、筒井先生の一言一句、渋いバリトンの声が脳裏に甦る。あぁぁ、本当に、本当に素晴らしいひとときだったなぁ…。
筒井先生が語られる、日本SFの歴史は、とにかく圧巻。たとえツツイストであっても、「あっ、そういうことだったのか!」と唸る裏話も満載。
あの、夢のようなトーク内容が、これから毎号SFマガジンで読めるとなると、嬉しくてたまらない。
ツツイストは、この連載のためだけにでも、SFマガジンを購入する価値がある。必読必携、圧巻の保存版だ。
*1:1989年4月号:手塚治虫追悼特集での追悼文(SFマガジン用に書かれたものではなく、転載)、および、2001年6月号:日本SF全集特集での「上下左右」再録。