昨日。
このブログを書き終えた後、僕は、家の近所を少し走ってみることにした。
貴重な週末。彩湖ウルトラは自重したものの、一週後のかすみがうらへ向けて、それなりに走っておきたいと思ったからだ。
岩本先生の練習帳 によれば、勝負レース1週前の土曜日は、「タイムトライアル(10km)」練習が推奨されている。
サブ3.5を目指すなら、その目標タイムは、47分30秒。古河はなももマラソンの1週前は、このタイムでしっかり練習できた。
それもあって、はなももでは、何とか目標を達成できたのではないかと思っている。
しかし、僕は、今の状態で、その練習をこなせる自信が全くなかった。脚の状態もさることながら、10kmを全力で走り抜けるだけの気力も失っていたからだ。
ということで、タイムトライアルは諦め、近所の坂道を使って、軽く起伏走を行うことに決めた。
峠走の坂とは比べものにならないほど緩いが、それでも、今の僕には、いいトレーニングになると思ったのである。
坂道の下りでは、身体を傾斜に任せて、可能な範囲でスピードを出せばいい。そして、上りでは心肺のトレーニングもできる。悪くない。
だから僕は、そぼ降る雨の中、ランを始めた。
雨で滑ってしまう心配もあったし、ここで脚を痛めたら、彩湖を見送った意味がなくなってしまうため、僕は、無理せず、自然のままに、ゆったりと下っていた。
距離にすると、たった300メートル程度しかない坂道なので、その後も、何度も上ったり下ったりを繰り返していたが、走っているうちに、脚の違和感が薄れ、下りでスピードを上げても、大丈夫なような気がしてきた。
ということで、5本目あたりから、スピードを出して下ってみることにした。うん、何とか大丈夫っぽい。途中で一瞬時計を見たら、キロ4分半ペースを切ってる。いい感じだ!
と…喜んだ直後に、思ってもみなかった事態が起きた。
ガツン。
僕の身体から、坂道に何かが転げ落ちたのだ。
「何か」と書いたが、僕は、すぐに落ちたものがわかった。今日の起伏走で、僕が携行していたものと言えば、たったひとつ…。
iPhone SEだ。
僕は、これをウェストポーチのRUNFITに入れていた。下りを走るたびに、ポーチが激しく振動したが、僕は気にしていなかった。
足柄峠走で装着した時も大丈夫だったのだから、このぐらいの坂、このぐらいのスピードの揺れで落ちるはずがないと思っていた。
…そこに大いなる油断があった。
思えば、去年の足柄峠走でも、iPhoneは落とさなかったが、デジカメは、転げ落としていた*1のだ。なぜ、そのことを忘れていたのか。
RUNFITは、普段、ロードを走っている分には、殆ど揺れないし、中に納めているガジェットが飛び出る心配もない。
しかし、坂道を勢いよく走るとなると別。身体の周りで大きく揺れるし、納めているものの振動まで実感できる。
さらに、僕のRUNFITは、購入後何回か洗濯を重ねていたため、四カ所あるポケット部分が、緩くなっていた可能性がある。
なぜ、そのことを熟考しなかったのか…。
と、僕は猛省したが、もう、あとの祭り。
僕のiPhone SEは、液晶面を下にして、道路に叩きつけられてしまった。最悪だ。
僕は、慌てて立ち止まり、雨の中、その本体をしげしげと眺めた。
iPhone SEは、一見、何の問題も生じていないように見えたのだけれど、本体から雨粒を取り去ってしげしげと見ると…。
傷が入ってしまっていた。
大きな亀裂というわけではないし、普通に稼働はしていたのだけれど、僕は大いにショックだった。
僕は、傷の入った液晶画面を呆然と眺めながら、起伏走を行う気力がなくなり、そのまま自宅に戻った。
もう、練習などを行う気分ではなくなってしまったのだ。
幸い、僕のiPhoneは、Apple Care+補償に加入しているから、最悪の事態にはならない。
3,400円を払えば、画面の修理はしてもらえる。
ただ、そのために、appleストアでの修理を予約して出かけるのも、ちょっと面倒だなぁと憂鬱に感じていた。
僕のiPhone SEは、1年ぐらい前、ロングランの直後に落下させ、このときは、カドの部分を損傷させてしまっている。
どうせ行くなら、これも一緒に修理してもらうかなぁ…。
そうすると、修理代は高くなってしまうけれど、規定によれば、おそらく、11,800円で新品の筐体に交換してもらえると思う。
ならば、そんなに悪くないかも…と思いながら、でもやっぱり落ち込んだ気分で、僕はとぼとぼと帰宅した。
しかし、自宅で冷静に画面を眺め直してみたとき、僕は大きな勘違いをしていたかもしれないことに気がついた。
*1:カドの一部が凹んでしまったが、レンズや内部には影響がなかった。