本当は、【さらば、TOHOシネマズ。】と言い切りたかった。
きっぱりと、決別宣言をしたかった。
しかし、僕の住環境と上映映画のラインナップを勘案すると、どうしても、まだ、利用せざるを得ない可能性があるため、書き切れなかった。
どうにもこうにも悔しいけれど、映画ファンとして、苦渋のタイトルだ。
ただ、今後は、「できるだけ、TOHOシネマズ以外の映画館で見よう」と思った。
それぐらい、僕はこのプレスリリースに納得していない。
昨日、唐突に発表された「映画鑑賞料金 改定のお知らせ」だ。
消費税の増税を秋に控えているのに、6月のタイミングで値上げというのが、そもそも不審。
まずは1,800円→1,900円としておいて、増税を理由に、2,000円まで値上げしようと考えているのではないか?とも穿ってしまう。
リリースでは、これまでの企業努力として、次のように訴えている。
デジタル映写機や自動券売機等の導入による運営の効率化
シネコンとして必然である装備を書き連ね、しかも、最近始まったことじゃないのに、それで《運営の効率化》って何?
そもそも、その「自動券売機」が、恐ろしく不便。
未だQRコード非対応なのが信じられないし、ネット予約で会員番号の紐付けをしていても、あらためてカードの読み取りが必要というのも面倒。さらに、タッチパネルも押しにくい。
他の大手シネコンに比べて圧倒的に使いにくく、しかも、全く改善されないのだ。
その他、「新規出店」なども企業努力としてあげているが、それって単なる《経営の拡大》なんじゃないか?と思う。
企業努力だけでは吸収不可能だとした理由として述べているのは、以下の通り。
アルバイト人件費を中心とした運営コストの上昇や各種設備投資への負担増
アルバイト人件費が「本当に」上がっているのならば*1、この点は多少仕方がない気もする。
しかし、よく考えると、それは映画業界に限った問題ではないし、《各種設備施設投資への負担増》というのが意味不明。
あんなに使いにくい自動券売機システムを放置しておいて、いったい何に、どう投資したのか明確にして欲しい。
昨年秋、会員システムが大幅に変更なったことも不満。
「変更」とは名ばかりで、圧倒的な《改悪》。
会員は、6ポイント鑑賞(6回映画を見れば、次回はタダで鑑賞できる)というのが大きなメリットだったのだけれど、それに大きな制約がついたのだ。
それまで無期限だった鑑賞ポイントに有効期限がつき、しかも、【上映回ごとに上限設定】まで設定されるようになってしまった。
僕は、数年前会員になって以来、ずるずると毎年更新してきたが、次回こそは止めよう、と決意したほど。
不満を書き出したら、止まらなくなってきた。
本編の上映前に、延々と、15分間も余計な映像を見せられるのも辟易。
予告編はまだしも、宣伝が多すぎる!
ならば、「本編の上映寸前に入ればいいのでは…?」と思われるかもしれないが、館内が暗くなってからだと席が探しにくい上、真ん中の席をとったりすると、他の観客に迷惑となる。
だから僕は、上映開始時間には座っているようにしているのだけれど、ギリギリ入場でも気にしない人たちが、その後、ぞろぞろと入ってくるため、本編開始までが本当に苦痛だ。
と…文句ばかりを書き連ねてきたが、もちろん、気に入っていたこともあった。
巨大スクリーンや音響面、座席の快適さなどは、値段に見合うものだと感じてきた。
特に、 TOHOシネマズ新宿の9番スクリーンは、都内屈指の大スクリーン&音響設備(DOLBY ATMOS)を有しており、これまで何度も感動した。
ただ、僕は、他の映画館の状況に疎かっただけかもしれない。
去年から、僕は、首都圏各地のさまざまな映画館に出かけるようになり*2、その設備やサービスに感服した。
TOHOシネマズ以外にも、映画館の選択肢はいくらでもあることを知ったのだ。
だから。
今後は、できるだけ他の映画館で映画を見ようと思う。
TOHOシネマズの暴挙に追随して、他の映画館が、《便乗値上げ》に動かないよう、祈りたい。