ということで、僕は、Garapago Racingを出た。
料理もビールも美味しく、居心地の良い店ではあったけれど、やっぱり、ラム餃子の不在があまりに大きく、僕の心は、その穴を求めていた。
閑静な住宅街を後戻りして、駅へと向かう。
迷いは、全くなかった。もともと、余力があればハシゴするつもりの店があり、行きの時点で目星をつけていたからだ。
その店は、開成駅西口から数分程度の県道沿いに、堂々と存在していた。
目を惹いたのが、とにかく広い駐車場。
店舗よりも、駐車場の方が大きいんじゃないかと思うほど。
店舗のWebサイトでは、「駐車場開成店」などという表記をされており、いったいどういうことかと思ったが、その理由も納得だ。
近づいてみる。
懐かしく、そして愛おしい「氷花餃子」の支店。開成町店だった。
1年半前。峠走の帰りに小田原まで足を伸ばして、本店を訪れた記憶が甦る。
あの時も、国府津「餃子ショップ」からのハシゴであったが、それでも十分堪能、感動してことを思い出す。
僕にとって忘れられない、見事な羽根の餃子が特徴的な店だった。
僕は、いつかまた、あの餃子をまた食べたいと思っていたから、今回、その機会を得たことは非常に嬉しかった。
その入口には…
「庶民の値段で貴族の享受」
というキャッチコピーが書かれていた。本店では見かけなかったコピーだ。
日本語的にちょっと微妙な気がしないでもないけれど、まぁ、言いたいことはわかる。
しがない庶民である僕も、ひととき、貴族の気分を味合わせてもらおう。
入店。
ランチタイムを少し外していたこともあって、店内はガラガラだった。
メニューを開いてみる。
リーズナブルな一品料理も多々掲載されていたが、それらには全く目をくれず、僕が見ていたのは、このページのみ。
そう。もちろん、餃子類のページだ。
水餃子や蒸し餃子なども気になったが、やっぱり、何を置いても、この店に来たら、看板メニューの「氷花餃子」を選びたい。
その素晴らしさ、美味しさはわかっていたので、迷う理由がなかった。
他の餃子は、余力があれば追加注文することに決め、僕は、まず「氷花餃子」を注文。
そのお供として…。
ビールも注文することにした。
その選択肢は殆どなかったので、スーパードライの瓶を選択。餃子と一緒に持ってきてもらうよう頼んだ。
美味しいクラフトビールを飲んだ後ではあったが、スーパードライにはスーパードライの良さがある。
餃子が出てくるまでは、かなり時間がかかった。
僕は、少し間を持て余してしまい、「ビールを先に持ってきてもらうべきだったかなぁ」と少し後悔し始めていたころ…。
氷花餃子がやってきた!
1年半ぶりの、感動の再会だ。
やっぱり、この餃子は凄い。その羽根は素晴らしい。僕はあらためて感服してしまった。
2019年、餃ビー初め!
涙のラム餃子ロスを経て、氷花餃子で叶った夢だ。
ビールやiPhone SEとの比較でおわかりのように、かなりのボリューム・インパクトがある。
見栄えだけでなく、その味についても申し分ない。
あぁ、旨い。美味しいなぁ。
もちもちの皮と肉汁たっぷりのジューシーな具。そして、なんと言っても、羽根のカリカリ感。その三位一体ぶりが、とにかくたまらなかった。
僕は、焼餃子の羽根にはこだわりをもっておらず、「特になくてもいい」派なのだけれど、ここの餃子だけは特別。
美しい《氷花》の羽根は、ビジュアル的に美しいだけでなく、味という点でも大きく貢献しているからだ。
何より、そのクリスピー感は、最高にビールとマッチする。可能であれば、追加で羽根だけ注文したいほどw
僕は、しばし、至福の餃ビータイムを過ごした。
ボリュームたっぷりの餃子とビールを、ゆったりたっぷり堪能して、会計は1000円程度。実に安い。
まさにこれは、《庶民の値段で貴族の享受》だ。