一昔前まで、「本」と言えば定価販売が原則だった。
出版業界を守るための再販制度*1に支えられているからだ。
2002年に成立した出版及び印刷振興法により、発行から1年以上経過した書籍は値引き販売も可能となったけれど、実際、値引きが適用されるのは、実用書の一部などに限られ、あまり浸透はしていない。
今でも、「リアル書店」では定価の本が普通に並べられている筈だ。
ところが。
電子書籍の台頭により、大きな変革が訪れる。
電子書籍は、「モノ」ではなく「情報」と見なされるため、「モノ」である本の価格を守るための再販制度が適用されない。
ということで、電子書籍の価格は常に変動する。それも極端に。
特に、コミックにおいてそれは顕著で、昨日も2つの例をご紹介させていただいた。
このうち、Kindle版「ちびまる子ちゃん」は、昨日(2/28)までのセールとご案内させていただいた通り、今日は価格が一気に跳ね上がっている。
昨日は1,386円(しかも222ポイントバックつき!)だったのに、今、あらためて確認してみると…。
8,280円!
1冊当たりの価格は460円なので、紙のコミック本と比較すると妥当な値付けではあるのだけれど、その価格差が激しすぎるために、目眩を覚えてしまう。
ナニワ金融道(全19巻)の【極!合本シリーズ】バージョンは、今日現在、まだ超絶ウルトラ爆安の88円でゲット可能だが、いつ跳ね上がってもおかしくないので、とりあえず買っておくことをお薦め。
注文時に気をつけたいのが、同じ「ナニワ金融道(全19巻)」でも、異なったバージョンの出品があること。
しかもそれらは、爆安価格になっていないので要注意だ。
どれがどれやら状態w
「紙の本」での体裁違いや、単巻、合本、超合本の違いもあるようだけれど、いざ電子書籍になってしまえば、それらの違いに殆ど意味はない。
形を持たない電子書籍には、そういった切り分けは無意味だからだ。
となると、単に紛らわしいだけ。
「ナニワ金融道(全19巻)」の爆安情報を得たものの、該当のシリーズに辿り着けず、割高なバージョンを購入してしまった…などということもあり得そうだ。
Kindle本は、数多ある電子書籍サイトの中でも、ことに価格変動が激しい。
だから、激安セール時には「とりあえず買い!」が鉄則なのだけれど、こういったトラップも潜んでいるので、慎重に見極めていく必要がある。
そう言えば…。
Kindle本に関して、数日前、こんなニュースが流れていた。
村上春樹先生や東野圭吾先生の名前を騙った、ニセ書籍が出品されていたというのだ。
例えば、村上春樹先生に関しては、こんな本が出ていたらしい。(今は削除済)
いったいなんなんだ、この趣味の悪い表紙は!
生粋のハルキスト(村上主義者)ならば、村上春樹先生がこんなセンスの悪い本を出す訳がないと言うことはすぐにわかる筈。
しかし、Kindleに村上春樹作品として出ており、amazonから新刊発売メールまで届いていたようで、騙された人も少なからず出ていた。
AIの発達により、電子書籍の出版ハードルはかなり下がっているようなのだけれど、それにつけこむ輩がいるので、ゆめゆめ油断は禁物だ。
こういった「謎の新刊」が出ていた時は、どんなに安くても、慎重に確認してから購入することをお勧め。
それにしても…。
amazon!もっとちゃんと審査してくれよ!

*1:再販売価格維持制度。出版社が書籍、雑誌の定価を自社で決め、書店などで定価販売ができる制度のこと







