スマホカメラの進化が止まらない。
新機種発表のたびに、その機能がアップし続けており、端末同士でその美しさを競い合っている感がある。
先日発表されたiPhone 15シリーズにおいても、カメラ機能の強化は大きなポイントだった。
とりわけ、iPhone 15 Pro Maxは、iPhone史上初の光学5倍ズームカメラを搭載しており、大きな注目を集めている。
その点は、Appleの公式Webサイトでも大きくPRされており、注目の新機能であることがわかる。
ただ、カメラの「光学ズーム性能だけに限って」*1言えば、iPhoneよりも、Android陣営の方が先行している。
GalaxyやXiaomi のハイエンドモデルにおいては、光学10倍ズームを搭載したモデルも発売されているからだ。
とはいえ…。
スマホ搭載のカメラにおいて、光学ズーム倍率が上がってきたのは、ここ数年の話。
こと、望遠性能に関しては、コンデジの独壇場であり、スマホのカメラでは勝負にならなかった。
薄型のコンパクトな筐体で、かつ、10倍超の光学ズームレンズを有したカメラが、各社から多数販売されていた。
今から5年前。2018年。
僕は、40倍光学ズームレンズ搭載の、PowerShot SX720 HSを愛用していた。
同じくらいのサイズ感を持ったデジカメにおいて、他社は30倍がMAX。
canonのPowerShot SX720 HSシリーズだけが40倍。
ズーム性能がひとつ抜けており、それが大きな魅力と言えた。
300gを切る薄型筐体なので、ランニングパンツなどにも収めて走ることが可能。
だから、十分スマホカメラのライバルになり得るのだ。*2
40倍光学ズームレンズの威力は凄まじかった。
当時の僕は、スマホと一緒にこのデジカメを帯同して走り、さまざまな写真を撮っていた。
僕は、天体写真…とりわけ月を撮るのが好きなのだけれど、その際に、このコンデジは大活躍してくれた。
そうだ。
SX720 HSでは、こんな綺麗に月蝕の写真が撮れたんだよなぁ…。*3
最近のスマホカメラの進化は凄まじいけれど、いくら全体のカメラ性能が上がっても、光学40倍と光学10倍では雲泥の差。
いくらデジタルズームで補ったとしても、月の写真をここまで綺麗に撮ることはできない筈だ。
その後僕は、SX720 HSを落下させて壊し、メーカー修理に出してまで使い続けていたが、再度壊れてしまったので、買い換えを検討していた。
僕が買い換えを検討した2019年当時、最新モデルは、前年に出たSX740 HS。
これは、僕の持っていたSX720 HSのマイナーチェンジ版と言えるモノだった。
当時は、毎年のように最新モデルが発売になっていたから、僕は、最新機種の発売まで待ってみようと思い、グッと我慢した。
…しかし。
このSX740 HS以降、canonは、後継機の発売を止めてしまう。
canonだけじゃない。
他メーカーにしても、高倍率を謳っているコンデジについては、皆、進化が止まってしまったのだ。
いくらスマホの機能が上がったとしても、スマホ筐体では、30倍、40倍の光学ズームは搭載できない筈で、差別化できる筈なんだけれどなぁ…。
いや。
むしろ逆で、スマホとは差別化されているから、無理に進化させなくても良い?ということなのだろうか。
SX740 HSは、今でも現役なのだから、それを買えばいいだけの話。
ただ、スマホカメラが毎年進化を重ねているのに、今更、5年前に発売されたコンデジを買うのは、ちょっと抵抗がある。
しかも、その価格は、発売時から殆ど値下がりしていないのだ。
なんだかちょっと腑に落ちないんだよなぁ…。