昨日、ネットニュースでその情報を知った時、僕は思わず、「えっ」と声を上げてしまった。
まさか、あの谷村新司さんが、亡くなってしまったなんて…。
今年の春から療養中であることは知っていたけれど、持ち前のバイタリティで、必ず復活してくれると信じていたのに。
谷村新司さん(チンペイ)、堀内孝雄さん(べーヤン)、矢沢透さん(キンちゃん)の3人からなるアリスは、昭和世代のフォーク好き、ニューミュージック好きにとって、スーパーヒーローだった。
「帰らざる日々」「遠くで汽笛を聞きながら」「冬の稲妻」「涙の誓い」「ジョニーの子守唄」「チャンピオン」「秋止符」「狂った果実」…。
今から思い返しても、アリスでしか表現できない印象的な歌唱の名曲ばかり。
若かった頃、僕はカラオケで何度も歌ったし、今でもみんなソラで歌えるのになぁ…。
谷村さんは、ソロ活動でも大いに活躍。
「昴」「陽はまた昇る」「22歳」などのヒットを飛ばした。
加山雄三さんとデュエットした「サライ」は、日本テレビ系24時間テレビのテーマソングとしても有名。
今年8月の同番組では、病床から、このようなメッセージが寄せられた。
「僕は今、はからずも長期の療養となってしまい、今年は国技館へ『サライ』を歌いに行くことができず、ごめんなさい」
「心で一緒に歌って、明日の回復のために今日を頑張ります。チンペイさん、今日の自分のために明日勝て」
だから僕はきっと、チンペイ(谷村)さんが、勝って戻ってきてくれるものと信じていたのに。
あぁ…。
去年、愛読している「昭和40年男」で、アリスが表紙を飾った時のことを思い出す。
この号では、アリスのロングインタビューも掲載されていた。
今、あらためて読み直してみると、切なくてたまらなくなった。
だって、この時の活気あるインタビューから、まだ1年も経っていないのだ。嘘だろ、と言いたくなる。
アリスは、昨年がデビュー50周年。今年は、全国各地でのツアーも予定されていた。
70歳を過ぎても、元気で活躍するアリスの姿に、僕は大きな力をもらっていたから、この訃報は、本当に、本当にショックだ。
今日は、アリスの歌を聞き流しながら、夜明けの街を歩いてみよう。
合掌。