圧巻。
「真鍋博2020」の展示内容は、まさに《圧巻》としか言えないものだった。
僕は、ここを訪れる前に、筒井康隆先生のトークイベントに参加。
この講演で筒井先生が語られた、真鍋博先生の凄さを、僕はまざまざと実感した。
いやはやなんとも独創的で、そして緻密な絵の数々だろう。
まさに、真鍋博先生しか描けない世界に、僕は酔いしれまくった。
展示会場内の撮影は禁止だったのだけれど、会場で販売されていた公式図録を見直して、僕はその素晴らしさを再度認識している。
展示の内容は多種多彩だったが、とりわけ僕は、SF・ミステリとの関わりについて、興味深く鑑賞させていただいた。
第2会場の殆どを占めていた、星新一先生の作品群。
ハヤカワ文庫版、アガサ・クリスティの表紙。
ミステリマガジンの表紙。
そして…筒井康隆先生の作品たち。
どれもこれも、僕にとっては非常に思い出深い、そして見応えのある絵ばかりだった。
日本SF界、そしてミステリ界にとって、真鍋博先生は、まさに、なくてはならない人だったということを、あらためて実感。
もちろん真鍋博先生は、SFやミステリだけの世界にとどまる方ではないため、その他の展示についても、僕は唸るばかりだった。
とりわけ、筒井先生が講演で絶賛しておられた、「鳥の眼」の凄さに驚愕。
いやはや何という緻密さだろう。
会場内では、ルーペの貸し出しも行っていたのだけれど、こういう絵をみると、納得がいく。
とにかく、とことんまで精細で緻密な絵なのだ。
「鳥の眼」については、単独で単行本化されており、会場内の売店でも販売されていた。
そのオビには、他ならぬ、筒井康隆先生の絶賛コピーが書かれていた。
「鳥になり壮絶な技法で日本を国会議事堂から喫茶店まで描ききったこの個人による芸術は唯一無二である」ーー筒井康隆
この本は、あまりにもサイズが大きいため、僕は、会場での購入を断念したが、amazonで購入することに決めた。
家でもルーペを準備して、日がな、じっくりと眺めてみることにしたい。