若い頃、僕は、競馬《狂》だった。
18年前に始めたこのブログ*1も、競馬ネタからスタートしているし、当初は、日々、競馬のことばかり書いていた。
2010年に、なぜか突然ランニングを始めるまで、僕は、ずっと競馬にのめり込んでいたのだ。
ランナーになって以降は、「馬が走る」ことによる興奮よりも、「自分が走る」ことの方が断然面白くなってしまったので、僕は競馬から足を洗った。
ここ10年間、馬券は1円たりとも購入していない。
競馬狂だった時代は、1日36レースの馬券を買っていたこともある*2のに、人間、変われば変わるものだw
競馬中継も、日本ダービーや有馬記念などの大レースは見るが、いつしか、知らない馬ばかりになってしまったので、かつての興奮が甦ることはなかった。
しかし…。
この映画の予告編を見て、僕は《ビビッ》ときた。
いやぁ、これは絶対に、観に行かずにいられないぞと思ってしまったのだ。
この映画「ドリーム・ホース」は、実話に基づく奇跡の競走馬を、《共同馬主サイド》から描いた物語。
僕も昔、共同馬主だった時代があるので、当時の興奮を思い出したからである。
僕の場合は、クラブ所有(サラブレッドクラブ・ラフィアン)の単なる一口馬主で、しかもその一口を、競馬仲間たちとシェアしたため、《なんちゃって一口共同馬主》に過ぎないのだが、それでも、十分に楽しかった。
職場仲間たちと、ラフィアンのカタログを見ながら侃々諤々、協議を重ねて選んだ初めての馬、マイネルソロモン号は、見事にデビュー戦を快勝。
続くレースも制して3戦3勝となり、なんと、無敗で日本ダービーに出走!した。
これを奇跡と言わずして、何と言おう。
年間7,000頭にも及ぶ競走馬のうち、日本ダービーに出走できるのは、たった18頭だけしかいないからだ。
日本ダービー当日、仲間たちと一緒に東京競馬場に出かけ、応援した時の興奮は、今でも鮮明に思い出せる。
結果は…18頭立ての18着w
けれど、そんな大舞台に立てたということだけで、僕は、大きな宝物をもらった気がした。
その後も、マイネルソロモン号は元気に走り続け…。
27戦4勝。
成績は尻つぼみになってしまったが、でも、僕にとって、一生忘れられない馬になった。
あぁ、あの頃は本当に楽しかったなぁ。
最近、僕は、興奮することがめっきり少なくなってしまった。最近は、腰痛で自分も走れなくなっているから、尚更。
だから…。
この映画に少しでも元気をもらおうと、先週末、久しぶりに映画館に赴いたのである。
そして、大いに興奮して鑑賞を終えた。
ストーリーは、ほぼ予想通りに進んだ。
馬を購入するまでのいきさつや、デビュー以降の成績を見ると、「ちょっとできすぎじゃない?」と思ったりもしたが、これが実話ベースだというのだから凄い。
中盤以降に訪れる大きな挫折、そして、奇跡の復活。
これも、想定を越えるものではなかった(予告編を見るだけで誰でも予想できる)けれど、でも、僕は、胸が熱くなってしまった。
あぁ、競走馬はいいなぁ。仲間たちと一緒に応援し、興奮できる競馬って、本当にいいなぁ。
ここ10年、競馬に全く参加していない僕でもそう思うのだから、競馬好きにはたまらない映画だと思う。
鑑賞後は、やたらとビールが飲みたくなる、競馬について語りたくなるのは必至。
気の合う競馬仲間と一緒に観に行くのがオススメだ。