シカゴマラソン前日。
早朝の5Kが終わった後、僕は、少し迷っていた。
この日は、もともと脚をあまり使わないつもりだったため、僕はノープランだったのだ。
しかし、5Kで一緒に走ったラン仲間が、「シカゴ川のクルーズツアーが良かったですよ」と言っていたのを思い出し、街に繰り出してみることにした。
その時点では、雨も止んでいたし、清々しい天気になっていた。
クルーズツアーなら、自分では歩き回らずに、シカゴ観光できるため、この時は、悪くない計画だと思った。この時は。
ということで、僕は、軽装のまま、いざ、シカゴの街に繰り出す。
クルーズツアーは、シカゴ川沿いの、アップルストア店舗前から出ていると聞いたため、Googleマップで、アップルストアを目指すと、すぐにチケット販売所が見つかった。
早速、チケットを購入。大人1名の価格は、$41だった。
チケット売場の係員に、乗船場はアップルストアビルの階下にあると聞いたので、ストアの中に入ってみる。
川に面した傾斜を使って2階建になっている、独特な建築デザインのアップルストア。
こういったところが、なんだか、シカゴっぽくて、素敵だ。
2階から見下ろした風景。
1階から見上げた風景。
ゆったりとした休憩スペースがたくさんあるのが、大きな特徴。
このあたりは、日本のアップルストアとちょっと雰囲気が違うようだ。
しかし、やっぱりアップルストアはアップルストア。
展示されているiPhoneやApple Watchなどを触っていると、心地よい雰囲気に酔いしれる。
と。
ここで酔っている場合じゃない。船の出発時間が迫っているではないか。乗り場に急がなければ。
僕が乗る船は到着しており、すでに乗船が始まっていた。
僕が乗り込むと、ほどなく、ガイドの人による説明が始まった。
気がつけば、船は、いつの間にか満員。このツアーは、ほぼ30分おきに行われているのに満員なのだから、かなり人気があるようだ。
トランプタワーの脇をすり抜け、船は、摩天楼の中を繰り出していく。
まさに絶景…と言いたいところなのだけれど、あいにく、この日は天候に恵まれなかった。
コーン(トウモロコシ)タワーとして有名な、ツインビル。
下の方は駐車場になっていて、その情景を見るのも面白い。
ガイドのお兄さんの説明も熱が入っていた。
その後も、船は、シカゴ川を行ったり来たりしながら、周りのビルを通過していく。
ここから先も、さまざまな、独特のシカゴ建築様式のビルを巡ったのだけれど、それがいったい、何のビルかについてはよくわからなかった。
ガイドのお兄さんは、ひとつひとつ丁寧に説明してくれていた(と思う)のだけれど、いかんせん、僕の前には、英語の壁が立ちはだかったからである。
いつか、こういった説明を、しっかり理解できるようになりたいなぁ…と思った。
ということで、ここから先は、僕のコメントを少なめにして、写真でお茶を濁すことにさせていただく。
僕がダラダラと駄文を並べるよりも、百聞は一見に如かず、だw
橋の下も次々と通過する。
この辺りも、きっと有名なビルなんだろうなぁと思う。
ビルの上空にかかる雲が、どうにもこうにも恨めしい。
橋桁が上がっているところもあった。
カメラを縦に構えても、まだ捉えきれない高さ。
このような形の斜め窓も珍しいと、ガイドの兄さんは言っていた(気がする。)
シビックオペラハウス。(壁に名前が書いてあるから、これは僕でもわかったw)
窓がカーブしている。ちょっと珍しい形のビルだ。
この形も面白い。
船がこのあたりを通っている頃…ポツリ、ポツリと小雨が降り出してきた。
折角の摩天楼なのに、上空に雨雲がかかってしまって、非常に残念な情景。
それだけならばまだいいが、雨が降ってきたことで、急に体が冷えてきた。
周りに乗っていた人たちは、皆、バッグの中から上着を取り出して着込んでいる。
僕は…と言えば、Tシャツ一枚の軽装でホテルを出てきてしまい、羽織るものひとつ持ってきていなかった。
ただでさえ、川の上は地上よりも寒いというのに、バカだ…バカすぎる。
僕は、自分の愚かさを呪った。
雨は、小ぶりとは言え、僕の身体をどんどん冷やした。大事なマラソン前日だと言うのに、こんなことで風邪を引いたら笑い者だ。
僕は、せめてもの抵抗で、下の階に逃げ込んだ。
雨が凌げるぶん、船の上よりはマシだったが、それでも、かなり寒い。
この船には、窓がついていないため、下の階でも冷たい風が容赦なく吹きつけてくるからだ。
周りの欧米人(というか、地元の方々^^;)も、寒さに震えて叫ぶまくっていたぐらいなので、相当にきつかった。
しかし、船の上なので逃げ場がなく、僕はひたすら耐えるしかなかった。
寒さに震えながら、心の中で独白。
「あぁ、今日は、シカゴのクールな摩天楼を、船の上から堪能するつもりだったのになぁ…。これじゃ、クールを通り越して、コールドだ。」
そんなこんなで、我慢すること30分。
なんとか、船は、スタート地点近くまで戻ってきた。
発着所近くでは、川に向かって放水が行われていることに驚愕。
なんでこんな寒い雨の日に、放水なんかしているのだろう。まさか、あの下をくぐっていくのか?やめてくれ!
僕は、心の中で悲鳴を上げそうになったが、僕らの船が近づくと、放水は止まって、ちょっとホッとした。
が…水を浴びなくても、僕の身体は十分に冷え切っていて、本当につらかった。
なんとか発着所に辿り着き、船から降りた後も、身体の震えが止まらない。
ここからホテルまでは、徒歩で10分ぐらい。
しかし、その時の僕には、それが果てしない距離のように思えた。
この状態でホテルまで辿り着けるだろうか…。
そんなことを思いながら這々の体で歩いていた時、とある看板が、僕の目に留まった。
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