(承前)
僕が選んだ選択肢は、MIRACH IS11PTへの機種変更だった。
先達モバイラーの方々からは、「そりゃぁないだろ」とツッコミを入れられそうな気がする。
モバイラーの端くれが持つ端末としては、あり得ないような気がするからだ。そもそも、自分だってこう書いているじゃないか。
スマートフォンもあるにはあったが、MIRACH IS11PTというマイナーな機種で、正直僕はその存在を知らなかった。内容を確認してみると、スマートフォン版の簡単ケータイっぽい端末で、これはスルー。
「人気の最新スマートフォンが大幅割引!」のDMなのに、全くお得感を感じない理由(2011.12.29 Entry)
存在を知らなかった、という言葉に嘘はない。そもそも、「ミラク(MIRACH)」という単語の読み方だってよくわからなかったぐらいだから。
実を言うと、ググるまで「マーチ(MARCH)」だと思っていたことは内緒だ(汗)
それほどまでに興味の対象外だった機種、スルーする筈だった端末を、なぜエントリー後2日で変心し、発作的にゲットしようと思ったのか。
その理由は、年末の大掃除を終え、自宅の風呂でお気に入りの文庫本を読んでいた時に遡る。
僕は、湯船に浸かりながら、軽い本を気楽に楽しむのが常で、その時も、大好きな東海林さだおのエッセイ集を読んでいた。…筈だった。
長風呂によるのぼせと、大掃除の疲れからか、急激な睡魔が襲ってきて、一瞬、意識がなくなった。そして、耳に侵入してきた湯で飛び起きた。危ない危ない。風呂で眠くなることはよくあるのだけれど、水が耳に入ってきたのは始めてだったのでちょっと驚いた。
慌てて飛び起き、そのあと浴槽からは出たので、身体は問題ないのだけれど…文庫本は浴槽の中で溺れていたorz
湯船の水面に浮かんではいたが、一度水没してしまったようで、完全に膨張しており、とてもそのまま読める状態ではなかった。乾かせばまた読めるかもしれないが、ページはパリパリになってしまうので、快適な読書は望めない。これは経験則上よくわかっている。そう、風呂の中に本を落としたのは、初めてじゃないからだ(汗
そもそも、お気に入りの本を風呂で読む方が間違っていると言われるかもしれない。本は水に弱いからだ。濡れても構わないようなどうでもいい本を読めばいいという考え方もある。しかし、折角のくつろぎの時間だ。どうでもいい本なんて読みたくない。少しでも楽しいことをして過ごしたい。
と。
ここで僕は悟ったのだ。本にこだわらなければ、浴槽で楽しめることは他にもある。WebやTwitterができるなら、こんなに楽しいことはない。そう思った時、僕の心の中でパズルが解けた気がした。
日常、僕のスマートフォンライフは、BBB9780とiPhoneを中心に、Dell Streakやmini Proなどのサブ端末によってほぼ満たされている。しかし、これら全ての端末共通の弱点があった。
「水に弱い」ことだ。だから基本的に浴槽内では使えない。
モバイラーの先達の方々は、ジップロックなどに入れて持ち込んでいる人もいるようだったけれど、操作性や視認性などを考えると、使い勝手がいいとは思えないし、YouTubeなどで音を楽しむには不適。風呂に入る前に色々と防水準備が必要というのも、ズボラな僕には合わない。
ということで、僕は、MIRACHのことを思い出した。
ググった際、「とてもシンプル」なスマートフォンであるということとともに、「完全防水」であるという情報は得ていた。いったんはその情報をスルーしてしまったが、ここで再び繋がった。
防水スマートフォンを、手数料一切ゼロの「無料交換」で入手できるチャンスがあるのだから、これを生かさない手はないのではないか、と。
もともと、MNPやら毎月割やらで、実質無料にすることは簡単な端末だとは思うけれど、変更手数料等がかかったり、途中解約すると余計なお金がかかってしまう。
しかし、初代INFOBARからのチェンジならば、全く手数料が掛からない上、さらに、今年の7月まではサンクスチェンジ早割も適用され、基本料金も安くなるのだ。
ならば、早いほうがいい。ということで、僕は年末に即断した。
色々と気になる点はあるし、非力な端末なのは間違いないけれど、「お風呂専用」端末と割り切れば必要十分。家の中ではWi-Fi運用できるため、基本的に3Gはオフ。となれば課金も最小限で済む。
いやぁ、湯船に浸かりながらのWebやTwitter、YouTube鑑賞などがこれほど楽しいとは思わなかった。しかも万一落としたって、全く問題ないのだ。
初代INFOBARは、僕にとって究極のデザインを持った端末で、あのデザインを超える(と僕が思う)端末は、9年間探して見つからなかった。停波までの残り時間はあと7ヶ月。もうINFOBARの幻影を追っても仕方ない。
だから僕は、INFOBARシリーズがなしえなかった、別の「一芸」を持つ端末を選んだのだ。
後悔はしていない。
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