ニューヨークシティには、5つの行政区がある。
マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、そして、スタテンアイランド。
《リアル》のニューヨークシティマラソンは、この5つの行政区を、全て通過するのが大きな特色だ。
スタート地点のスタテンアイランドのヴェラザノ=ナローズ(Verrazzano-Narrows)橋から、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクスを抜け、最後はマンハッタンのセントラルパークでゴールを迎える。
ヴェラザノ=ナローズ橋から見る情景は、まさに圧巻で別格だが、その後も区境には橋があり、その全てを渡っていく。
ニューヨークシティマラソンは、「橋を渡る」マラソンと言ってもいい。
だから、Stravaアプリでの《バーチャル》ニューヨークシティマラソンのチャレンジページには、このような案内が書かれている。
「橋を渡らない」New York City Marathonに参加しよう!
…か。
僕は、これを読んで思った。
確かに、日本で走る《バーチャル》レースでは、ヴェラザノ=ナローズ橋を渡ることはできない。
けれど、日本にだって、それっぽい橋があるじゃないか…と。
《バーチャル》とはいえ、ニューヨークシティマラソンというレースを走る以上、ニューヨーク気分を味わいたい。
ということで、僕は、昨日、ここに佇んでいた。
レインボーブリッジ遊歩道だ。
10月までは、午前9:00から遊歩道を通行できるということで、僕は、開場時間に合わせて、ここに向かったのである。
レインボーブリッジは二層構造となっており、願わくば、上層階を走れれば最高だった。
しかし残念ながら、二階部分は高速道路となっており、人の通行は不可で、通行できるのは下層階のみ。
ただ、《リアル》ニューヨークシティマラソンでも、上層階を走れるとは限らない。
ヴェラザノ=ナローズ橋も二層構造となっており、スタート時は、上層階・下層階組に分かれるからだ。
2011年に僕が出走した時は、運良く上層階を走ることができたが、今回は下層階組に当たってしまったと考えれば問題ない。
僕は、この橋に辿り着き、ランの準備を整えると、amazon musicで、これを選んで流し始めた。
フランク・シナトラの「ニューヨーク・ニューヨーク」だ。
実際のニューヨークシティマラソンで、スタート時に流れる歌である。
僕は、9年前に現地で聞いたこの音楽の感動を思い出しながら、Garminのスタートボタンを押し、連携アプリも開始した。
レインボー・ブリッジの下層階からみた眺め。
このアングルで眺めれば、何となく、ニューヨーク気分が味わえる。(ホントか?w)
ヴェラザノ=ナローズ橋のスケールには及ぶべくもないし、橋の形状も、実際はかなり違うのだけれど、まぁ、そこは想像力でカバーすればいい。
何しろ、ひとりでフル距離を走るのだから、「気分」だけでもニューヨークを味わうことが大事。
僕は、ひとまず気分よく走り出すことができ、ホッとした。
とっても涼しいし、日差しもあるし、天候については申し分ない。まさに絶好のマラソン日和。
あとは、事前に思い描いていたコースを走り抜くだけ、だ。
(以下、続く。)
【追記】
このエントリーの情報をSNSに流したあと、ラン仲間から、とある指摘を受け、僕は大きな衝撃を受けた。
僕は、ラン仲間に指摘されて、ようやくそれを思い出した。
お台場には、レインボーブリッジ以上に、「これぞNY!」という気分を味わえるものが存在していたのだ。
あー。
わざわざお台場にまで遠征したのに、この存在を忘れているとは…。痛恨だ。痛恨すぎる。
僕は、割と計画を立てて臨むタチなのだけれど、その計画が穴だらけなので、後悔することが多い。今回もまた、大失敗を犯してしまった。
このアングルで写真を撮って、サムネイルにすれば、まさに「気分はニューヨーク」というエントリーにぴったりだったのになぁ…。
もう15年以上もブロガーをやっているというのに、いやはや情けない。