以前から気になっていた店だったのだけれど、ようやく訪問が叶った。
板橋区の大山で40年以上続く老舗。
「餃子の末っ子」だ。
看板ロゴの色合いが、どことなくGoogleロゴ風。
しかし、それを意識したわけではなく、この色遣いについては、「末っ子」の歴史の方が古いようだ。
《大山店》ということからおわかりのように、浅草にある有名店、「餃子の末っ子」と関係がある。
このような表示も、店の各所にあった。
ただ、事前に調べたところによると、餃子の味は、浅草本店と異なるようだ。
以前は浅草の本店と同じ餃子が提供されていたが、現在は、完全に別途のノウハウで、餃子が作られているとのこと。
入店。
僕が訪れたのは、まだ夕刻の早い時間だったというのに、店内はほぼ満席。
店を出る時には行列もできていたので、かなりの人気だった。
僕は、とりあえず喉がカラカラに渇いていたので、ビールと…そして、搾菜を注文。
加えて、もちろん餃子も注文した。
この店は、つまみ類に力を入れていないようで、前菜的な料理は搾菜とピータンぐらい。僕はピータンが苦手なので、選ぶなら搾菜一択。
ただ、僕はもともと搾菜は好きなので、それで何の問題もない筈だったが…
あまりにも残念な搾菜が出てきたので、唖然呆然。
おぃ、大丈夫か、この店は。心に大きな不安がよぎる。
ただ、周りの料理を見渡すと、他の料理はそれなりにボリュームがありそうだった。
横のテーブルでは、「この肉ニラ炒め、1人前でこれってすごい得だよなぁ」などという声も上がっていたほど。
だから、あくまで搾菜だけが例外だったのだと思う。(思いたい。)
と、信じて10分程度待っていると…。
焼餃子が出てきた!
こんがり焼けた、いい色合いだ。しかし、そのサイズは驚くほど小さい。
この写真で見ると、わかりにくいかもしれないので、いつものように、iPhone SEと比較。
やっぱり小さい。
これで2人前(700円)なので、コスパ的にも少し微妙な気がした。
僕は、この時点では、搾菜ショックから立ち直れていなかったため、あまり期待せずにそれを囓ってみた。
すると…。
おぉぉ、旨いぞ!
流石、「餃子の末っ子」を謳うだけのことはある。サイズこそ小ぶりながら、丁寧に作られているなぁと思った。
全体的には野菜系なのだけれど、ニンニクがガッツリ効いていて、もの凄いパンチ力。
浅草本店の焼餃子は、これほどニンニクが強くなかった気がする*1ので、これが、「大山店」としての独自性なのだと思う。
僕は、ニンニク好きなのでたまらなかった。
具にはしっかりと下味もついているので、何もつけなくても、十分に美味しい餃子だ。
そしてまた、皮が旨い。仄かな甘みが感じられ、具の味わいを優しく引き立てている。
いやぁ、これは職人の餃子だ。
搾菜は残念だけれど、餃子は丹念。そんな気がした。
1口で食べられる餃子なので、パクパク進む。
その小ぶりな筐体からは想像できないほど、強烈なニンニクパンチが、僕の身体に活気を与えてくれる。
そんな餃子だから、もちろんビールとの相性も抜群。
このボリュームならば、まだあと2皿ぐらいは余裕だったし、4皿だっていけそうだ。
追加注文しようかとも思ったが、餃子が焼き上がるまでにはかなりの時間がかかるし、場つなぎで軽いものを食べたくても、地雷メニューしかないため、断念。
しかし、この餃子はかなり気に入ったので、今度は餃子1本に絞って、再訪したいと思う。
*1:僕が食べたのは、もう10年以上前になるので、記憶がちょっとあやふやではあるが、少なくとも「ニンニク推し」ではなかった。