「餃子とビール」が、最強の組み合わせであることについては、以前のエントリーで詳しく書いた。
だから今回は繰り返さないけれど、そんな《餃ビー》にも、僅かな弱点がある。
「それぞれの提供速度に時間差がある」ということだ。
どんな店に入っても、ビールは注文後すぐに出てくる。
冷蔵庫から出す、或いは、ビールジョッキに注ぐ、という行為だけで提供されるからである。
しかし、餃子は、「注文を受けてから焼く」という行為が必要だから、たいてい、10分程度(店によってはそれ以上)かかるのが常*1。
もちろん、いろいろと対策はある。
「餃子が出てきてからビールを注文する。」か、「餃子とビールを、同じタイミングで出してもらうように頼む。」ようにすれば、リアルタイムで餃ビーを堪能できる。
しかしそうすると、餃子が出てくるまで《待ちぼうけ》状態になってしまうのも、これまた悩ましい。
店に入った途端、僕の喉はビールを求めていることが多いので、やっぱりすぐに、キンキンに冷えたビールを味わいたい。
ということで僕は、「餃子が焼き上がるまでの繋ぎ」に、ビールのアテを注文するのが常になっている。
それは、時にお新香だったり枝豆だったりするが、一番多いのは、搾菜(ザーサイ)だ。
中華系の店であれば、大抵メニューにあるし、値段も手頃である場合が多い。
塩気が強いため《一気喰い》が難しく、ビールのお供で少しずつ食べるのに向いている。
大抵、小さな器に盛られてきて、お腹にたまらないというのも(メインの餃子を堪能できるため)好ましい。
店によって、当たり外れが少ないというのもメリットだったのだけれど、久しぶりに、衝撃的な、残念な搾菜に当たってしまった。
先週の話。
僕は、餃子が売りの有名店に入り、まず、「ビールと焼餃子、そして搾菜」を注文した。
しかし…。
ビールはすぐに出てきたが、搾菜がなかなか出てこない。店はそんなに忙しくもないようだったのに、なぜかやたらと時間がかかった。
待つこと5分以上。このままではビールの気が抜けてしまう。
僕は、「忘れられているんじゃないか?」「餃子と同時に持ってこようとしているのか?」と訝しみ、店員に声をかけようとした瞬間、それが運ばれてきた。
搾菜にしては大きめの皿に盛られてきたため、一瞬僕は、お得感を感じたのだけれど、それが大きな誤解であることを悟った。
「いったいどうやったら、搾菜をこんなに薄くスライスできるんだよ!」というぐらいの薄さなのである。とにかく、ペラッペラ。
普通の搾菜は、囓るとポリポリした歯応えを感じ、それが魅力でもあるのだけれど、この搾菜は、違う。
ポリポリできるほどの歯応えがなくて、あえて表現するなら「サクッ」とした食感で、とても奇妙だ。
小さな皿で山盛りされていれば、印象も違ったのかもしれないが、なまじ、大きめの器に並べられてきたため、貧相感が半端じゃない。
これで250円というのは、コスパ的にどうなんだ?とも思った。
ちなみに、コスパ最高の店、「福しん」の搾菜は…。
こんな感じ。
うん。やっぱり搾菜はこうでなくちゃ。
しかも、「福しん」の搾菜は、ビールの《おまけ》としての提供だから、実質価格はゼロ円なのである。
僕にとって、搾菜は、あくまで、餃子が出てくるまでの繋ぎなのだから、これで十分以上。
そう考えると…。
やっぱり、どうにもこうにも、この搾菜は、とても残念だった。
とにかく薄くて食べ応えがないので、僕は、あっという間に食べ終わってしまい、メインの餃子が出てくるまで、時間を持て余してしまった。
この分だと、餃子も期待できないかもしれないなぁ…。
と、思っていたところ、「それ」が僕の眼前に運ばれてきた。
(以下、続く。)
*1:「餃子の王将」など、大手チェーン店などでは、常時餃子を焼き続けているため、タイミングによっては、時間差があまりない場合もあるが、例外と考える。