昨年のMGCで3位に敗退し、東京オリンピックの内定を逃した大迫傑。
ただ、日本記録保持者であるために、優位な立場ではあった。
その後の選考レースで、自らの持つ2時間5分50秒の記録が破られなければ、3番目の椅子に座ることができたからである。
新記録のハードルは、かなり高いものだったため、《待つ》という選択肢もあった筈だ。
しかし、大迫は、その選択を良しとしなかった。
設楽や井上と言ったライバルたちを楽にさせず、堂々と真っ向勝負を挑み、そしてなんと…。
2時間5分29秒。
堂々の日本新記録達成だ!
まだ、来週のびわ湖毎日マラソンが控えているため、これで《代表確定》というわけではない。
しかし、さらに記録のハードルを上げたことで、相当代表の座には近づいたと言っていい。
レース後のインタビューでは、いつもクールな大迫選手が言葉に詰まり、涙を拭っていた。
僕も、その姿を見ていたら、じんときて、涙が出てきそうになってしまった。
いやぁ、大迫、ほんとハンパない。
東京マラソン全体の順位としても、堂々の4位。
世界と渡り合える実力を十分有していることが証明できたと思う。
その勇姿を、是非とも、今年の東京オリンピック(舞台は札幌だけれど…。)で見たい。