ついに、ようやく、東京マラソンが戻ってくる。
一般参加者を含めた、「東京マラソン2021」*1が、開催されるのだ。
2年ぶりの東京マラソンと謳われてはいるが、2020年は、エリート選手のみのレースになってしまったから、一般参加者も含めての大会となると、実に3年ぶり。
いやはや、なんと長い月日がたってしまったことか。
主催者側は、一般参加者に対し、「引き続き開催に向けて準備を進めてまいります。」と言う形で案内をしており、まだ、出場の確約をしているわけではない。
現在ピークアウト傾向を見せている感染状況が再び悪化すれば、一般部門の中止という判断もあり得る。
ただ、大きな一歩を踏み出したことは間違いない。
まん延防止等重点措置期間中の開催となるため、一般参加については異論が出ている。
しかし、参加者全員へのPCR検査を含め、徹底した感染予防策をとっての開催となる上、オミクロン株の状況も、2週間後には、かなり落ち着いている可能性が高い。
それを踏まえての、勇気ある決断と言えるだろう。
異論についてはもちろん理解できるけれど、ここで一歩を踏み出せなければ、マラソン大会の未来は暗くなる一方だ。
思えば、コロナ禍に伴うマラソン大会の中止ドミノが始まったのは、一昨年の東京マラソンからだった。
「東京マラソンがダメなら、うちも…」ということで、次々とレースが中止になってしまった。
今は、レースというレースが中止になっている状態だけれど、東京マラソンの開催が、その流れを変えてくれる可能性を期待したい。
2年ぶりの開催ということもあってか、主催者側の気合は相当なもの。
なんと言っても凄いのは、エリウド・キプチョゲ参戦。
2018年ベルリンマラソンで、2時間1分台のタイムを叩き出し、世界中を驚愕させた、人類最速の男だ。
キプチョゲの凄さは、このレースに限ったことじゃない。
2019年には、非公認ながら2時間の壁も破った(1時間59分40秒)ことがあるし、これまでに出場したレースでは15戦13勝。圧倒的な勝率を誇っているのだ。
キプチョゲは、昨年、北海道で開催された東京オリンピックの男子マラソンにも出場している。
真夏の大会だっただけに、タイムは(キプチョゲとしては)平凡なものだったが、その「強さ」は圧巻。
30kmあたりからスパートして、その後は後続を突き放す一方。まるでひとりだけ別のレースを走っているかのように、大圧勝でフィニッシュした。
これはもう、格が違うとしかいいようがない。
今回は、まだ寒さの残る東京で、しかも、下り基調のタイムが出やすい東京コースを走るだけに、自己記録の更新もあり得る。
女子も、2時間14分4秒の世界記録を持つブリジット・コスゲイが選出された。
男女の世界記録保持者が、東京マラソンに出揃うというのは、なんとも豪華で、ハイレベルの戦いが期待できそうだ。
日本からも、2時間4分56秒の日本記録を持つ鈴木健吾や、東京オリンピック8位の一山麻緒が出場。
キプチョゲやコスゲイについていくような展開になれば、日本記録の更新も狙えるのではなかろうか。
いやぁ、これは本当に、最高に、楽しみだ。
東京に、これだけ豪華な選手が揃うのだから、是非とも沿道で生観戦し、応援したいところなのだけれど…。
コロナ禍に伴う沿道応援の自粛要請が、なんとも恨めしい。
折角、キプチョゲが「東京で、お会いしましょう」と言ってくれているのになぁ…。
*1:昨年3月予定だった大会が、2回の延期を経ているため、「2021」の表記は誤りではない。「2021」の延期に伴い、「東京マラソン2022」は中止になっている。いやはやなんともややこしいw