その日、僕のお腹は結構膨れていた。
これぞ町中華、と言える店「わくい」で、たっぷりのニラ炒めと大盛り(9個!)餃ビーを堪能していたからだ。
若い頃ならば、余裕で食べられた量なのだけれど、最近は、歳のせいかどうにもお腹がもたれがちになっているので、これで十分だった。
特にこの日は会社帰りであり、走っていたわけでもない。素直に家路へ向かうつもりだった。
しかし…。
腹ごなしに、近辺をふらふらと歩いていた時、この店を見かけて、ビビッときた。
店の名は、ひろし。
僕は、その佇まいに、「わくい」と同じ匂いを感じた。
外観写真を見比べていただければ、それはおわかりいただけると思う。
暖簾は、《味の店 中華料理》の色違いバージョンで同一。扉のデザインも、かなり似ている。
そして、どちらも「ひらがな3文字」の店名。
2軒あわせると、和久井宏さんになるのがポイント。
どこかにいそうな人名だし、餃子が好きそうな名前だ。(根拠なしw)
そんな2軒は、300mぐらいしか離れていない場所に仲良く存在していた。
東武東上線の下板橋と大山のあいだ。
共に住宅街の中で、非常にわかりにくい場所にあるのだけれど、でも、しっかりと地元に根付いている感じだった。
僕は偶然見つけた兄弟店(?)に感激したし、運命も感じたので、これはやっぱり見過ごせなかった。
前述の通り、僕のお腹は結構膨れていたけれど、餃子は別腹に入るので、問題ない。
店の入口には、「ほろ酔セット」として、生ビールと餃子のセットが案内されていた。
僕にとって、餃子とビールは切り離せない関係なので、これを注文することに決定。
餃子と同様、ビールも別腹。大丈夫だ。
僕は、いったい何が本腹なのかわからなくなってきたが、気にしないことにした。
入店。
カウンターには、先客が2名。マスターと親しげに話していたので、おそらく常連だろう。
小上がりにテーブルが設けられており、店内の雰囲気は、「わくい」と結構異なっていた。
カウンターの上に掲示してあるメニュー。
変わったラーメンの種類が色々あり、ちょっと魅力的だった。
ただ、僕のお腹には、麺類が入る余地はなかったし、入店前から《餃ビー》と決めていたので、餃子とビールのほろ酔セットを注文。
まずは生ビールが登場。
無料のお通しに、ところてんがついてきた。これがさっぱりしていて、なかなか。
お腹にもたまらないので、真打ち(餃子)を待つ間のアテとしても最高だった。
餃子が焼き上がるまで、テーブルに置いてあったメニューを眺めてみる。
一品料理を含め、結構色々種類があるようだ。
入口の黒板に書いてあった《ほろ酔いセット》は、日替わりではなく、固定ということが判明。だから、いつ訪問しても、お得に餃ビーを堪能できることになる。
いやぁ、素晴らしい。
そして。
焼餃子がやってきた!
「わくい」のワイルドな大盛り餃子の後だったので、ちょっと寂しく見えてしまった。
でも、よく考えると、生ビール(&ところてん)と、この餃子で880円ならば、悪くない。
その味も、なかなか良かった。
肉がぎっしり詰まっていて、見た目以上に食べ応えがある。
蒸し焼きにしているのか、その皮は、「カリッ」としておらず、艶っぽく、べたっとしているのが大きな特徴。
僕はどちらかというと、カリカリ感のある皮が好きなのだけれど、これはこれで悪くないと思った。
店内のホワイトボードには、おつまみが案内されており、《中華飲み》もできそうな店だ。
この日、僕は、ひとりでほろ酔い餃ビーをしたのだけれど、今度は是非、みんなで訪れて、小上がりテーブルで町中華を堪能したい。
できれば、「わくい」とハシゴのコースで^^;)