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羽生竜王が、「羽生九段」に…。

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竜王戦7番勝負、運命の最終局。

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TOPページ|竜王戦中継

羽生竜王が防衛して、タイトル獲得通算100期を達成するか。あるいは、広瀬八段がタイトルを奪取して、羽生「竜王」が「無冠」になってしまうのか。

昨日は、その運命が決まる1日だった。

27年間、通算99期にも及ぶタイトルを保持し続け、永世七冠も獲得された羽生先生。

紛れもなく、将棋界の絶対神であり、レジェンド。

若手が台頭する世界で、48歳にして、未だトップに君臨し続けるその姿に、僕は心底痺れまくっていた。 

だから僕は、全力で羽生竜王を応援していだのだ。

昨日は、仕事や所用があったため、リアルタイムで応援し続けることはできなかったが、退勤時間後は、将棋連盟のライブ中継アプリで棋譜を遡り、状況を追い続けた。

100手あたりまでは互角の情勢だったようなのだけれど、流れは次第に、広瀬八段に傾きはじめていく。

アプリ内の解説でも、《広瀬有利》を伝えるものが増えてきた。

僕は、「羽生マジック」を願って棋譜を進め、リアルタイムに追いついてからは、1手1手、奇跡の逆転を祈り続けながら、アプリの画面をリロードしまくった。

しかし…。

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あぁぁぁぁ。

僕は思わず、人前で声を出して嘆きそうになってしまった。

ついに、羽生先生が、無冠となる瞬間が来てしまったからである。

あまりのショックに胸が痛んで、どうにもこうにもやりきれなかった。

今回の羽生先生には、タイトル通算100期という、前人未踏にして不滅の、超絶的大記録がかかっていた。

これがどれだけ凄いことか、簡単に説明させていただくと…。

将棋界には、プロ棋士が160人以上いる*1が、そのうち、タイトルとは永遠に無縁のまま、プロ生活を終える棋士の方が圧倒的に多いのだ。

その中で、なんと27年間も、何らかの(一時期は7冠全ての!)タイトルを保持し続けてきた、ということだけで奇跡だし、通算99期という数字は、驚愕するしかない。

今をときめく藤井七段(2018年12月現在の段位)も、そのうち、いくつかのタイトルを獲得すること確実だと思う。

しかし、羽生先生が成し遂げた、通算99期というタイトル獲得数は、決して破れないと思っている。

それぐらい絶対的で、超絶の記録なのだ。

そんな記録の達成まで、手の届くところに迫っていたというのに、まさかの無冠へ。

まさに、天国と地獄の落差。

今回、そんな運命の針は、地獄の方に振れてしまった。ただただ、無念だ。

しかし、この結果は、決して「運」で決まったことではない*2

今回、新竜王となった広瀬八段は、今年、とにかく勝ちまくっていて、将棋界の公式レーティングでも1位となっている強豪。まさに、脂がのりきった棋士なのだ。

そんな広瀬八段相手に、最終局まで互角の戦いを繰り広げたのだから、羽生先生は、まだまだトップ中のトップ棋士。

本棋戦では、広瀬「新」竜王の勢いが、羽生先生を上回っていたというだけのことだと思う。

今回、竜王位を失ってしまったことで、羽生先生は、「九段」という肩書きになる。

竜王戦の規定で、《前竜王》と名乗ることはできる。《永世七冠》と名乗ることだって可能かもしれない。

しかし、今の羽生先生は*3、それを良しとしないような気がする。

《前竜王》は過去の栄光というイメージがするし、《永世七冠》の凄さは、現役引退後にこそ輝くからだ。

羽生先生は、今回、一時的に無冠になっただけ。新しいタイトル獲得に挑む場で、《前》や《永世》の肩書きは邪魔になる。

羽生「九段」という呼び方には、どうにもこうにも違和感が伴うが、それは、他ならぬ羽生先生も感じている筈。

だからこそ、そんな違和感を払拭するため、羽生先生は、さらなる進化を遂げ、きっとリベンジしてくれる。

僕はそれを信じて止まない。

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*1:2018年現在。下位クラスで一定以上の成績を残せないと、その資格が剥奪されてしまい、下から上がってきた新人との交代を余儀なくされる厳しい世界。

*2:最終局、現代将棋では不利な後手番になってしまったことは「運」がないとも言えるのだけれど、途中ではいったん互角の情勢になっているのだから、後手であってもチャンスはあった。

*3:1990年11月に、竜王位を奪取されて無冠となった時は、一時的に「前竜王」を名乗っている。しかし、4か月後の1991年3月に棋王位を奪取。それ以降、ずっと何らかのタイトルを保持し続けてきた。


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