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将棋界の一番長い日、終了。羽生九段の来期は…。

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昨日、3/3は、将棋順位戦A級の最終戦が行われた。

A級最終戦は、例年《将棋界の一番長い日》と呼ばれている。

順位戦は、勝敗ひとつの差が、大きな明暗を分ける棋戦。全ての棋士は《順位》によってランク付けされ、その最高峰であるA級に属する棋士は、たった10人。

たとえどんな強い棋士であっても、A級へ辿り着くまでには、長い年月を生じる。

順位戦のスタートは、C級2組となっており、毎年1つずつしかクラス昇級できないからだ。

「あの」藤井5冠が、まだB級1組にとどまっていることが、その厳しさを象徴している。

いったんA級に入ったからと言って、まだ安心はできない。

優勝者は、将棋界最高のタイトルである【名人位】を得るが、10名の中で、下位2名に入ってしまうと、B級1組への降格となってしまう。

激しく厳しい戦いなのだ。

羽生九段…いや、羽生永世七冠は、これまで、そんなA級の座を(名人保有の時期も含め)29年間守り続けてきた。

しかし…。

先月。最終戦を待たずして、A級からの陥落が決定してしまった。

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来期はB級1組へ降格になってしまうこととなったのだ。

前局後のインタビューで、羽生九段は、来期の意向について問われ、「特にまだ考えていないので。次の一局に全力を尽くしたいと思います」と語った。

僕は、本当にショックだったが、まだこれで終わりじゃないと信じた。

米長邦雄先生や森内俊之先生は、A級からの陥落を機にフリークラス宣言をして、順位戦を脱退してしまったが、羽生先生は、来期もB級1組で戦ってくれると思っていた。

羽生九段は、他の棋戦ではまだまだ上位進出しており、A級棋士たちとも好勝負しているから、十分巻き返せる。

1期でA級復帰ということも十分あり得る筈だ。

羽生九段は、数年前、竜王位を失って無冠になった際も、前竜王などと名乗らず、さらっと九段という名称を受け入れた。

だから今回も、自然にB級1組で指し、風のようにA級へ戻ってくれるものと信じていた。

しかし、そんな願い、僕の夢は、幻に終わってしまうかもしれない。

昨日の最終戦で、広瀬八段に敗れ、あらためて来期の順位戦について問われた羽生先生は、放心したような表情で、「まずは今期をしっかり振り返りたい」と答えた。

記者は、羽生先生から、「来期(B級1組で)どのように戦いたいか」ということを聞きだそうとしていたが、先生は、かたくなに名言を避け、「今期を振り返る」と答え続けた。

諦観したような雰囲気と、その回答を考えると、僕は、羽生先生が《大きな決断》をするのではないか、という気がしてきた。

ここ30年間、羽生先生は、将棋界の第一人者として輝き続けてきた。棋界を背負って立ってきた。

その功績は計り知れないものがあるし、今後も永遠に語り継がれていくだろう。

ただ、その一方で、今。

将棋界は大きな変動を迎えている。

AI研究による急激な戦術の変化、そして、藤井5冠という超新星の登場により、羽生先生は、《僕の役目はもう終わった》と思っている可能性はないだろうか。

いやいや、そんなことはない。羽生先生なら、まだまだ捲土重来のチャンスはある。

僕はそう信じてはいるが、昨日の対局後、淡々と言葉を紡いでいた、その表情を見ていると、電撃引退まであり得るのではないかという気がしてきた。

もちろん、僕の予感は、外れることが圧倒的に多いので、杞憂に終わると信じたいけれど…。


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