いやはや、この表紙のインパクトは、強烈だ。
僕は、この写真が撮影された頃のロジャー・テイラーを、リアルタイムでは知らない*1のだけれど、当時のギャル(死語か?)たちは、痺れまくったんじゃなかろうか。
それぐらい、インパクトのある写真だと思う。
表紙のキャッチコピーには…。
伝説のバンドを支え、ヴィジュアル面を牽引した全方位型プレイヤーを総力特集
と書かれている。
「ヴィジュアル面を牽引…」というのは、大胆なコピーだと思うけれど、掲載写真を眺めていたら、それも納得。
オフタイムでは、優しげな王子様風…。しかし、ステージ上では、熱く激しいドラマーの顔。
そんな二面性を持った、ロジャーのヴィジュアルが別格だということだろう。
僕が、今回これを購入したのは、もちろんヴィジュアル面に惹かれたから…というわけではない。
クイーンの音楽を聴きまくるようになって以来、「ロックンロール・ドラマーとしての」、かつ、「ボーカリストとしての」ロジャーに惹かれたからだ。
猛烈にドラムを打ち鳴らしながら、高音のハスキーボイスで、力強いコーラスをかぶせてくる。その歌声は、時に、フレディの声よりも目立つほど。
なんてパワフルで、エネルギッシュなミュージシャンなんだろう。
僕は、そんなロジャー・テイラーに痺れてしまったのである。
映画「ボヘミアン・ラプソディ」は、クイーンの物語というよりフレディ・マーキュリーの物語だし、これまでの関連本は、フレディに関するものが、圧倒的に多かったと思う。
しかし、この本は、100%ロジャー・テイラー視点でまとめられている。
この目次を見ていただくだけで、その凄さはわかるだろう。
とりわけ、バイオグラフィ&ディスコグラフィである、「I’m in Love with My Career…」というコンテンツが秀抜。
そのタイトルは、もちろん、ロジャーのソロ曲をもとにしている。
そう。
映画「ボヘミアン・ラプソディ」の中で、ディスられまくる(のに、曲は流れない^^;) 「I'm In Love With My Car」だ。
その力強い歌声と壮絶なドラム捌きは、何度見ても唸ってしまう。
この特集では、そんなロジャーの、ロックミュージシャンとしての軌跡を丁寧に辿るとともに…。
クイーン&ロジャーソロアルバムの全曲について、ロジャー目線での解説が添えられている。
クイーンの音楽について、僕は、(新米ファンながら)相当聞き込んだつもりだったが、「こういう聴き方もあったのか!」と驚くこと多数。
ロジャー・テイラーのファンのみならず、全てのクイーンファンに、大きな発見と喜びをもたらしてくれるレビューで、これを読むだけでも購入する価値があると思う。
この本の凄さは、まだまだある。
「MUSIC LIFE」誌などに掲載された、珠玉のインタビュー13本(!)
「Drums Ga Ga!!」と銘打たれた、70~80年代クイーンのロジャー使用機材検証。
僕は、ドラムについて全くよくわからないのだけれど、その凄さに圧倒されてしまった。
ロジャー・テイラーに少しでも興味があれば、どこをとっても楽しめる本だと思うし、貴重な記事や写真が満載で、まさに、永久保存版の1冊。
こういったムック本の場合、いったん品切になると入手困難な場合が多い。
既に、AmazonはPrime在庫がなくなってしまっており、Web市場では品切気味。
ただ、楽天ブックスでは、現在(8月7日時点)在庫ありのようなので、もしも気になる方は、早めにゲットしておくことをオススメしたい。
*1:世代的には知っている筈の歳なのだけれど、当時、僕は洋楽に全く興味がなく、その存在さえも知らなかった。