クイーンの音楽は、スイスのモントルーなくしては語れない。
この地にある、モントルー・カジノ(Casino Barriere de Montreux)内には、かつて、マウンテン・スタジオと呼ばれる録音スタジオが存在していた。
そしてそのスタジオは、1978年から1995年に至るまで、クイーンが所有していたからだ。
マウンテン・スタジオでは、1978年の「ジャズ」以降、「ホット・スペース」「カインド・オブ・マジック」「ザ・ミラクル」「イニュエンドウ」といったアルバムたちが生まれてきた。
マウンテン・スタジオでは、フレディ・マーキュリーが亡くなった後も、クイーンの録音が続行。フレディ最後の歌声を収録したアルバム「メイド・イン・ヘヴン」の完成をもって締めくくられた。
だから、フレディ・マーキュリーは、今でも、モントルーのレマン湖畔で輝き続けているのだ。
僕は、この銅像を見に行くだけでも、モントルーに行く価値があると思っているが、この地の魅力は、それだけじゃない。
フレディ像から、湖畔の遊歩道をしばらく歩くと、モントルー・カジノに到達する。
かつてこの中にあったマウンテンスタジオは、もうなくなってしまった。
しかし、その代わり、カジノ内には「Queen Studio Experience」と呼ばれる記念館(ゾーン)が設立された。
僕は今回、ここを訪れて、本当に感動し、その素晴らしさに圧倒された。
その名の通り、超絶のクイーン経験、体験ができる記念館だったからだ。
僕がうだうだ語るよりも、写真と動画で見ていただく方がわかりやすいと思うので、以下にご紹介させていただこう。
- 入場方法
- 記念館へ
- 寄せ書き&メッセージ
- 展示エリア
- 《体験できる!》コントロールルーム
- 【動画】ブライアン&ロジャーによるビデオメッセージ
- 【動画】「Made In Heaven」のコンソール操作をやってみた!
入場方法
湖畔の遊歩道沿いを進むと、カジノの案内板が出てくるので、それに沿って歩いて行く。
カジノと思われる施設の前には、「Queen Studio Experience」という巨大なポスターが掲示されていた。
クイーンファンであれば、これを見るだけで胸がときめく筈だ。
ということで、勇んで入口の扉を開けると…。
こんな情景が目に飛び込んでくる。まぁ、ここはカジノなのだから当然だ。
僕は、一瞬勝手がわからず戸惑っていると、受付係らしい女性が出てきたので、クイーンの記念館について尋ねてみる。
どうやらそれは、このカジノを通過して階段を上った、2Fに存在しているようだ。
そのために、まず、カジノに入場する必要があり、僕は、パスポートの提示を求められた。(18歳未満の入場も不可。)
ということで、カジノに入り、場内の階段を使って上へ。
2Fから見たカジノの情景。
僕が訪れたのは、平日の昼間だったというのに、場内は、富裕層(?)と思われる人たちで、そこそこ賑わっていた。
これはあとでわかったことなのだけれど、遊歩道沿いの入口から入るのではなく、いったん脇道の坂に上り、2F側の入口から入れば、カジノを通過せずに、クイーン記念館へ行くことができる。
2Fから入れば、パスポート提示が不要で、18歳未満でもOK…だと思う。
ただ、いずれにしても入場料は無料だし、パスポートを提示するのが面倒でなければ、カジノ経由でも全く問題はない。
記念館へ
カジノの2Fに上がると(あるいは2F側の入口から入ると)すぐに、このような案内がある。
あとは、廊下を辿っていけば、Queen Studio Experienceの記念エリアに辿り着ける。
廊下には、時節柄、「ボヘミアン・ラプソディ」のポスターも掲示されていた。
赤い道を進み、ゲートを潜れば、そこはもう、 Queen Studio Experience。受付などはないので、出たり入ったりも自由。
ゲート脇にある看板に、胸を躍らせながら、いざ、入場。
寄せ書き&メッセージ
ゲートに入るや否や、世界中のクイーンファンたちによる、寄せ書きやメッセージが、壁一面を占拠していた。
ありとあらゆるスペースを使って書かれ、貼られた、実に熱いメッセージの数々だ。
僕は、思わずそれに圧倒されてしまった。
今から考えれば、僕も、何か書き残しておけばよかったなぁ…。痛恨。
展示エリア
まさに、夢の空間だった。
それほど広いエリアではないのだけれど、見どころだらけで、何をどう紹介していいかわからない。ということで、写真を並べて見ていただくことにしよう。
クイーンのファンならば、その凄さについては、見ればすぐにおわかりいただけると思うからだ。
アルバム展示
さまざまなCDやジャケットがショーケースの中に納められている。
その隣には、関連のライブビデオが流れており、ヘッドホンで音も聞くことができる。
クイーンのアルバムだけでなく、フレディソロの展示もあった。
日本盤の商品も掲示。
「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」「ウィー・ウィル・ロック・ユー」のシングル盤。いやぁ、欲しい。欲しいなぁ。
フレディ直筆原稿
フレディが残していた直筆原稿が、そのまま展示されていた。非常に貴重だ。
ステージ衣装
展示エリアの中央には、ステージ衣装の展示もあった。
ミニシネマ
展示エリアの角には、ミニシネマゾーンがあり、クイーンのライブ中継が行われていた。
撮影は禁止されておらず、観客もいなかったので、写真に残させていただいた。
スタジオイメージ
マウンテン・スタジオで、かつて「ホールC」と呼ばれていたスタジオを再現して展示。
撮影技術が拙いため、他の展示が映り込んでしまっているが、その雰囲気はおわかりいただけると思う。
《体験できる!》コントロールルーム
このQueen Studio Experienceは、展示だけでも十分に堪能できるのだけれど、さらに凄い場所を備えている。
かつてのルームにコンソールを再現!
それが、ここだ。
マウンテン・スタジオ当時のまま残された部屋に、レコーディングで使われていたミキシング・コンソールを戻し、当時のイメージを再現した。
ルーム内展示
このルーム内にも、フレディの石膏像や手書きメモなど、貴重な展示が残されていた。
が、もちろん、なんと言っても、目玉はコンソール操作の実体験だ。
ミキシング・コンソールを体験!
この部屋では、「Mother Love」と「Made In Heaven」の2曲について、ミキシング・コンソール操作を行うことができる。
実際に操作できるのは、写真の赤い部分だけ。しかし、それでも十分すぎる。
僕が指を動かして、キーを操作するたびに、クイーンの曲、フレディの歌声が彩りを変えていく。
いやはや、これはとてつもなく素晴らしい体験だ。
PLAYボタンを押して、演奏が流れ始める前には、ブライアンとロジャーが、それそれの曲に関するエピソードなどを語ってくれた。
もちろん英語なので、この時の僕は、メッセージの全てを理解することはできなかった。
しかし、ブライアンとロジャーの思いは、十分に伝わって、じんとした記憶がある。
僕は、それを、いつまでも心に刻んでおきたかったから、動画に撮って残しておいた。
【動画】ブライアン&ロジャーによるビデオメッセージ
ブライアン・メイが語る「Mother Love」
「Mother Love」は、フレディ・マーキュリーの生前最後に収録された曲。
気管支肺炎のためにフル・コーラスを歌うことができず、最後の節だけ、ブライアン・メイが歌っている。
それだけに、ブライアンにとっても、思い出深い曲だろう。
ロジャー・テイラーが語る「Made In Heaven」
「Made In Heaven」は、当初、フレディのソロ・アルバム『Mr.バッド・ガイ』の中に収められていた曲。
しかし、フレディが亡くなった後、その演奏がクイーンバージョンに差し替えられ、アルバムに収録された。
このスタジオに残っている音源は、もちろん、クイーンバージョンだ。
ビデオでのコメントで、ロジャーは、「(自分が叩いた)ドラムの音はMAXにしておけ」というようなことを言っていたんだよなぁ…。
【動画】「Made In Heaven」のコンソール操作をやってみた!
ということで、蛇足ながら、僕が実際にコンソール操作したものも、動画に残しておいた。
その操作があまりにも酷くて適当なので、公開するのはかなりためらったのだけれど、まぁ、《悪い例》として、参考になるかもしれないと…。
「Made In Heaven」を聴いたことがない方は、まず、このオフィシャルMVを見ていただきたい。
いやぁ、やっぱり、これは名曲だ。
後付けとは思えないほど、完全に、《クイーンのサウンド》として完成されている。
それが、僕のミキシング・コンソールでどう変わるかと言うと…。
なにやってんだ、こいつw
我ながら、適当操作にもほどがある。実に恥ずかしい。
ロジャーのメッセージもあんまり考慮してないし、ちょこちょこ動かしすぎ。
いやぁ、本当に恥ずかしいなぁ…。
「Mother Love」の操作動画も撮ってはいるが、そちらは、もっと酷いので、公開を自粛させていただくことにした。
ということで…。
ここは本当に素晴らしい体験施設だったのだけれど、使い方をわかってない人が使うとこうなる、という悪い例。
なんとかまた訪問の機会を作って、今度はもっとしっかりミキシング操作をしなければ…と思っている。