今日、4月1日。
東京は、晴れて穏やかな1日になる見込みだが、先週末の天気は最悪だった。
冷たい雨が降りしきっており、気温も10℃以下。
折角満開になった桜が、泣いてしまうような天気だったのだ。
そんな日に…。
僕はなぜかこんな場所にいた。
東急田園都市線の宮崎台駅。
…と言っても、地元の人以外は、その場所がわかりにくいだろう。
神奈川県川崎市宮前区。田園都市線では、溝の口と鷺沼の間にあり、各駅停車しか停まらない駅だ。
この駅を降りたって数分歩くと、「餃子舗 北京」という超人気の店がある。
昔から、僕の《行きたい店リスト》上位に入っていたが、僕の家から宮崎台までは1時間以上かかるの上、普段は出かけない方面なので、これまで訪問できずにいた。
常に行列という噂だったから、「わざわざ遠征して並ぶのは嫌だなぁ」というためらいもあった。
しかしこの日は、午後から溝の口で所用があったため、その前に立ち寄ることを決意。
こんな冷たい雨が降る日ならば、きっと、空いているに違いないと思ったからだ。
僕は、冷たい雨に身体を震わせながら、恐る恐る、その店まで向かうと…。
誰も並んでない!
僕は、開店時間(11時30分)の15分前に到着したのだが、通常は、開店前でもかなり行列になるという噂だったので、ちょっと意外だった。
店の前には、こんな看板が立っているので、やっぱり普段は行列必至なのだろう。
僕は「ラッキー!」と思う反面、「臨時休業なんじゃないか?」という不安も抱いた。
が、店内は灯りがついており、開店準備をしていたようだったので、ほっと一息。
この日、行列がなかった原因は、間違いなく悪天候。
いやはや寒い。寒すぎる。
こんな氷雨が降っていては、さしもの人気店でも、開店前に並ぼうとは思わないのだろう。
しかし、開店5分前になると、僕の後ろには10人程度が並んでいた。
僕の後ろに並んだ常連の方によれば、「普通の日だと、開店前に1巡目が満席になることもある」とのことだったので、氷雨に感謝。
開店すると、女性の店員から、全ての客に対して「あの席に座ってください」という、てきぱきとした指示がなされた。
1人客はカウンターへ。2人客はテーブル席横並び。向かいの席には、別の2人客。有無を言わせぬ相席だ。
行列を捌きなれている感じの見事な仕切りで、常連客たちも素直に従っていた。
僕は最初に入店したので、カウンターの角、厨房も店全体も見渡せる特等席を割り当ててもらった。
注文も、入店順に受付。
僕は、迷わず「タンタンメンと餃子」と告げた。
すかさず店員から、タンタンメンの辛さを聞かれたので、「中辛」と回答。
タンタンメンは、餃子と並ぶこの店の看板料理。
僕は普段、滅多に麺類を食べないのだけれど、入店待ちの間、常連の方々から「ここのタンタンメンは絶品だから、絶対に食べておいた方がいい。」と激賞されたので、それに従うことにしたのだ。
4種類ある辛さについても、常連の方々から、「中辛でも結構辛い」と言われていたから、スムーズに対応できた。
本当は、ビールもつけたいところだったが、この日は、午後から所用があったため、断腸の思いで断念。
その後、ホールの女性店員は、てきぱきと2人目以降の注文をとっていったが、並んでいた客のほぼ全員が《タンタンメンと餃子》を注文していた。
やはり、この2品がこの店の絶対看板なのだ。
タンタンメンの辛さは、《普通》と《中辛》が半々ぐらいで指定されていた。《大辛》以上はなし。
やはり、相当辛いと覚悟した方がよさそうだ。
僕は、店内の様子を眺めながら、料理が出てくるのを待つことにした。
カウンター内では、実にてきぱきと調理が進んでいる。
餃子も次々と手包みされており、大いに期待が高まった。
カウンター上に表示されているメニューでも、「タンタンメン」と「餃子」だけが特別扱い。
この店自慢の逸品なのだ。思わず胸が躍った。
待つこと10分程度だろうか。
タンタンメンがやってきた!
スープは、とろとろのあんかけ状態になっており、たっぷりの挽肉と刻みネギ、そして搾菜。ニンニクも効いていた。
あんかけになっていることもあり、とにかく熱い。そして、実に辛い。
あぁ、中辛にとどめておいてよかった。
僕はその熱さと辛さに、何度もむせ返ってしまったが、でも、実に美味しかった。
流石、この店の看板料理だけのことはある。
あんかけの下には、食べ応えのある麺がたっぷり。
僕のブログでは非常に珍しい(初めてかも)「麺リフト」も撮影。
慣れていないので、何度も写真を撮り直した。これは、7テイク目の写真だw
とろみがあるせいで、麺を食べ終わっても、まだスープは熱々。
たっぷりの具材を、スープとともに堪能できる。
この日僕は、待ち時間の間にすっかり身体が凍えきっていたが、そんな身体が一気に温まる、最高のタンタンメンだった。
タンタンメンと前後して、この店の「もうひとつの看板料理」も登場。
これもまた、看板料理にふさわしい逸品だった。