【前回のあらすじ】
氷雨が降りしきる3月下旬の週末。僕は、かねてから行きたい店だった、宮崎台の「北京」を訪れた。行列必至の人気店だが、こんな悪天候なら空いているに違いないと思って訪問。その思惑は見事に当たり、開店15分前の到着で1番乗りだった。
僕の目当ては餃子だったが、常連の方々から「この店のタンタンメンは絶品だから、絶対に食べておいた方がいい」というアドバイスをいただいたので、素直に従って注文。
果たしてその味は、実に素晴らしかった。とろとろのあんかけで熱々、そして激辛。僕は、何度もむせ返ってしまったが、氷雨に凍えた身体を温めてくれる、最高のタンタンメンだった。
タンタンメンと並ぶ、この店の看板料理。
行列に並んでいた常連の方々が、漏れなく注文していた焼餃子は、期待に違わぬ魅力的なビジュアルでやってきた。
焼き色にちょっとばらつきはあるけれど、全体的に「よく焼き気味」で、それが実に魅力的。
二大看板の共演。
餃子の数が1個減っているのは、実は餃子の方が先に提供されたため。
タンタンメンが出てくるまで、待てずに1個食べてしまったのだw
焼餃子を一口囓った瞬間、僕は、あまりの旨さに痺れていた。
その具は、口の中でとろけるほど柔らかいのに、野菜の歯ごたえもしっかり感じられて、絶妙。
こんな食感の具は、なかなかない。カリカリ薄皮との相性も抜群で、これはもう芸術品の域だ。
しっかりと下味がついているので、何もつけなくても実に美味しい。*1
僕は、とりわけキャベツの食感と甘みに痺れたが、それもその筈、具の中のキャベツは…。
この時期限定、三浦半島の旬な「春キャベツ」を使っていたのだ。
もちろん、平常期の餃子も美味しいのだろうけれど、旬の食べ物は、さらに魅力をプラスしてくれる。
いやぁもう、これはほんとに最高だ。
あぁ、氷雨の中を遠征してきて良かったと思えるほど、僕は感動してしまった。
ただ…。その一方で痛恨の思いも抱いている。
この餃子は、カリカリの皮とジューシーな野菜の具を兼ね備えているから、言うまでもなく、最高にビールが合う、筈。
僕は、この日午後から所用があったため、ビールは飲まないつもりでいたのだけれど、これだけ美味しい餃子に出会ってしまった以上、飲まずにいられるものか!
そう決意したものの、結局僕は、餃ビーを実現できなかった。
貧弱な僕の胃は、タンタンメンと餃子で満杯になり、ビールを受け入れられなかったのである。
仮にも餃子ランナーを名乗っている以上、もっと胃を鍛えなければいけないなぁ…。
ただ、僕はすぐに気持ちを切り替えた。
宮崎台は確かに遠いが、再訪すればいいだけのことだ。
今度訪れるときは、会社帰りに、お腹を十分に空かせて、最高の餃ビーを堪能しよう。
*1:つけるなら味を邪魔しない酢胡椒だが、個人的には、そのままの方が気に入った。