いやはや驚いた。
日本マラソン界を牽引してきたエース、大迫傑が、いきなり「8月8日の東京マラソンをラストレースにする」と宣言したからだ。
8月8日のマラソンを現役選手としてのラストレースにします。
— suguru osako (大迫傑) (@sugurusako) 2021年7月29日
それは、出し切るため。
もう半歩、目標に近づくため。
「走る」その究極にシンプルなことに、純粋に向き合う。
全編はYouTubeにUPしてます。
こんなゴールがあったっていい。https://t.co/4mdmj7Fv5r
「いきなり」とは書いたが、大迫傑の中では、ずっと前から考えていたことなのだろう。
それは、この動画を見るとよくわかる。
大迫傑が、海外の地で淡々と練習する風景とともに、その心境を語っている。
曰く。
「2013年に東京でのオリンピック開催が決まってから、ずっとこの大会を目標にしてきました」
「次があるという言い訳を強制的になくしたくて、この大会をゴールにしました。」
いやぁ、なんて格好いいんだろう。
だからこれまで、大迫は、その大きな目標に向けて、全力で自分自身の能力を高め、結果を出してきたのだ。
2018年。
シカゴで2時間5分50秒をマークし、3位に入賞。16年ぶりに日本記録を更新。
2019年。
オリンピック選考レースとなるMGCで3位に敗退し、東京オリンピックの内定を逃したが、日本記録保持者だったため、黙って待っていても、自動的に3人目の代表となる可能性は高かった。*1
しかし、大迫はそんな安易な選択肢をとらなかった。
去年の東京マラソンに出場し、自らの日本新記録を更新して、堂々、自力で東京オリンピックの出場権を獲得したのだ。
まさに、有言実行。男の中の男。痺れるなぁ。
運命の8月8日。札幌の地で開催される男子マラソン。
海外勢の壁は厚いけれど、今回は、日本開催という地の利もある。
気温が高くなるのも、大迫にとっては有利な条件の筈。
「破れても、次がある」という退路を断って、完全燃焼宣言をした大迫傑の底力に期待したい。
*1:その後の選考レースで、大迫傑の日本記録を抜くタイムで走るランナーが出なければ、大迫傑の出場が決定。