「キングスマン」第1作を見た時の衝撃は、今でも忘れられない。
公開時には、《常識破りのキレッキレアクションムービー》というキャッチコピーがついており、僕は、大いに期待して鑑賞。
期待値のハードルをかなり上げていたにもかかわらず、それさえも超えるほどのキレッキレぶりに、とにかく痺れた。
《あり得ない!》と言いたくなるような設定と展開なのだけれど、軽快なアクションシーンと疾走感のあるストーリーが、とにかく素晴らしかった。
2015年に僕が見た映画の中ではベストワンだし、その後を含めても、この映画ほど《ぶっ飛んでいる》作品はなかったように思う。
だからもちろん、3年ぶりの新作となった続編、 「キングスマン ゴールデン・サークル」(2018)も、公開早々見に行った。
この作品の面白さは、第1作を見ていることが前提となる。
第1作同様、《あり得ない!》と思うような展開が続くのだが、それに関しての、説明は殆どなく、【お約束】として物語は進んでいくからだ。
キレッキレぶりは第1作に叶わないものの、シリーズ物として考えれば、安定した面白さだったと言える。
だから僕は、「キングスマン」シリーズの最新作である、今回の作品にも大いに期待した。
その名も、「キングスマン:ファースト・エージェント」
事前情報によると、これは、《キングスマンの誕生秘話》ということだった。
位置づけで言えば、第1作以前のものということになり、「キングスマン ゴールデン・サークル」の続編ではない。
ただ、キングスマンを名乗る以上、軽快なテンポとキレッキレぶりで時間を忘れさせてくれるだろうと期待しながら、公開早々見に行った。
日曜の昼ということもあったかもしれないが、劇場内は超満員。
流石、人気のシリーズなんだなぁと思いながら、僕は映画に臨んだ。
物語は、第一次世界大戦前の南アフリカからスタート。歴史上に実在した事件を盛り込みながら進んでいく。
僕は、歴史映画、戦争映画が大の苦手で、世界史についても疎い。
この映画では、実在したボーア戦争やサラエボ事件のエピソードも盛り込まれているのだが、僕は、それを全く理解できなかった。
鑑賞後にパンフレットを読んで、初めてそれが実在事件であることを知ったほど(汗)
だから、ストーリーの前半は「???」の連続で、戸惑いながら映画を見ていた。
映画の展開や内容も、キングスマンシリーズ特有のキレッキレぶりははなく、重厚に進んでいく。
次々に事件が発生するから、飽きるということはなかったが、僕は、笑い飯の西田ばりに、「思ってたんと違う!」と言いたくなった。
アクションシーン*1などは、キングスマンシリーズのテンポを彷彿させるものの、全体的には、重たい戦争映画のトーンだ。
物語の途中で、「あっ」と驚く事件が起きるのは、このシリーズの大きな特徴で、それは、この作品も同様だった。
僕はそこまで、かなり感情移入しながらみていたため、大いに驚いたが、ここから物語は急展開していく。
ラスト30分ぐらいから、キングスマンシリーズならではの、テンポとキレッキレの展開になり、終わってみると、「あぁ、やっぱりキングスマンだったか」という思いは残る。
まさにこれは、「キングスマン:ファースト・エージェント」なのだなぁということを実感。
キングスマンファンは必見だし、これまでキングスマンを見ていない人も、大丈夫。
これを見た後で、第1作を見れば、その面白さが増幅するようにも思う。
あぁ、やっぱりキングスマンシリーズは最高だ。
この映画は、シリーズ《外伝》といえるようなものなので、次回作では是非、シリーズの正統な続編、最新作を見たい。
パンフレットも、もちろん購入。
マットな感じの手触りが良く、映画の裏話も満載なので、キングスマンファンならば、絶対に買っておくべき逸品だ。
シリーズ3作のパンフ、揃い踏み。
それぞれをパラパラと眺めていたら、また、「キングスマン」第1作や、「キングスマン:ファースト・エージェント」が見たくてたまらなくなってきた。
年末年始は、是非ともそれを見直してみようかと思う。
*1:特に、グリゴリー・ラスプーチン相手のダンスアクショシーンは圧巻。