今号の「ミステリマガジン」は、超弩級の分厚さで発刊された。
通常号は320ページなのだけれど、今回はその倍!という640ページでの刊行。
前号と比べてみると、その分厚さが際立つ。
増えたページは、全て「ハヤカワ・ミステリ(通称ポケミス)」の総解説目録だった。
目録部分は黄色の紙に印刷されており、小口を見ると、くっきり2色にわかれていることがわかる。
総解説目録は、巻末から横書きで読むスタイル。
1953年9月から、2023年9月に至るまでに刊行されたハヤカワ・ミステリ・シリーズの全作品解説を収録。圧巻だ。
ただこれは、今回が初めての趣向というわけではない。
10年前。
2013年9月号。「ポケミス60周年記念特大号」でも、同様の趣向が実施されている。
この60周年記念号では、本誌部分でも大々的にポケミス連動記事が掲載されている。
- ポケミス人気作はこれだ!
- ポケミスとの出会いはどこで 原リョウ
- 私の好きなポケミスBEST3 アンケート&エッセイ
- ミステリ界御意見番大いに語る“ポケミスの過去と未来” 小鷹信光×権田萬治×仁賀克雄 (司会:高橋良平)
- The Cover Collection of A HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK
- ポケミス60年の歴史を繙く 三橋暁
- ポケミス創刊60周年記念イベント情報
ポケミスファンであれば、絶対に見逃せない永久保存版の内容になっていた。
60周年記念号で大々的に特集したせいなのか、今回の本誌特集内容は、若干控えめだ。
アンケートや記念エッセイなどはなく、ポケミス識者による鼎談や、ポケミス・ブックデザイナーの水戸部功氏のインタビューにとどまっている。
ただ、今回、増補改訂版となった「ハヤカワ・ミステリ総解説目録」内容は、やはり圧巻。
ポケミスの最新コンプリートガイドとして、是非とも入手しておきたい。