Google社によるFitbit買収は、2019年末からの既定事項だった。
当時、僕は、こんなエントリーを書いている。
Fitbit社のCEO 兼社長・共同創設者である、ジェームズ・パーク氏の名前で発信されたメールを受け取り、それに関する思いを綴ったものだ。
僕が何より気になっていたのは、以下の点だった。
僕は、Fitbit Charge 2を使い初めて2年以上になるが、このデバイスには、僕のパーソナルデータや行動記録、そして睡眠情報に至るまで、さまざまなデータを蓄積させている。
それらが、Google社に取り込まれ、Webサイトでいちいち関連広告などを出されたらたまらない!
Googleとの連携により、プラスになることも多いのだろうが、個人情報の取り扱いを危惧したのだ。
その点について、Fitbitから届いたメールでは、こう説明されていた。
私たちは収集するデータの内容や、その目的について透明性を確保して参ります。皆さまの個人情報を転売することは一切致しません。
また Fitbit が収集した健康とウェルネスのデータが、Google の広告に利用されることもありません。
僕は、「ジェームズ・パーク氏がここまで断言するのだから、それを信じることにしたい」と結んでいる。
それから1年以上の時が流れ…。
先週末。
Fitbit社から、こんなサブジェクトのメールが届いた。
Fitbit は Google の一部となりました
ここに至るまで、さまざまな紆余曲折があったようだが、ついに正式発表。
今回も、ジェームズ・パーク氏からのメッセージだ。
その内容については、FitbitのWebサイトにも掲載されていたので、ご紹介させていただこう。
Fitbit が正式に Google の一部となりましたことを、ここにお知らせいたします。
これは私たち企業にとって、そして世界中のユーザーからなる Fitbit コミュニティにとって、非常にエキサイティングな出来事です。
ジェームズ・パーク氏は、この出来事について「非常にエキサイティング」と自画自賛しているが、Fitbitユーザーは、エキサイティングだと感じているのだろうか。
個人的には、エキサイティングというよりも、ショッキングという思いの方が先に立つ。
やっぱり何より心配なのは、個人情報の取り扱いだったので、その点についての記述を確認してみると、こう書かれていた。
Google は世界の規制当局の指令に対応した取り組みを行っており、Fitbit ユーザーのプライバシーは引き続き保護されます。
Fitbit ユーザーの健康管理とウェルネスのデータが Google の広告に使用されることはなく、他の Google の広告データと統合されることもありません。
まぁ、ここまで書くのだから、きっと大丈夫なのだろうと信じたい。
個人情報以外にも、僕には気になることがあった。
Fitbitは、そのアプリが秀逸で、AndroidでもiOSでも、共通して使うことができた。
また、サードパーティアプリとの連携も、自由度が高かった。
そういったメリットは、Googleの支配下になっても維持されるのだろうか…?という不安だ。
しかし、今回のメッセージでは、その不安も払拭してくれた。
画一的なアプローチに陥ることなく、Android と iOS の両方に対応するサービスを充実させていきます。(中略)
Google は Fitbit ユーザーが引き続きサードパーティのサービスに接続することを許可します。つまり、お気に入りの健康管理アプリを、これまでと同様に Fitbit アカウントに接続できます。
ということで…。
Googleに正式吸収されてからも、これまで同様、Fitbitを安心して使うことができそうだ。
不安な点が解消されるのであれば、あとは、期待だけ。
今後は、Googleプラットフォームを生かした、新展開がみられるようになるのかもしれない。
将来的には、FitbitデバイスでGoogle Payが利用できたり、YouTubeとの連携ができたりしたら、面白いんじゃないかなぁと思っている。