餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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「化石の日」で甦るアメリカ自然史博物館の追憶

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今日、10月15日は「化石の日」だとアレクサは言った。

彼女は、AI界きっての《記念日マニア》なので、毎朝「おはよう」と呼びかけるたびに、その日の記念日を教えてくれるのだ。

化石と言えば……。

僕が真っ先に思い浮かべたのは、恐竜の化石…巨大な骨の化石だった。

そう。

ニューヨーク、マンハッタンにある「アメリカ自然史博物館」(American Museum of Natural History)の追憶だ。

僕が始めてあの場所を訪れたのは、もう15年以上前――2009年のことだ。

まだ僕は、ランニングを初めておらず、iPhoneも日本に上陸したばかり。

僕が当時愛用していたのは BlackBerry Boldだった。

物理キーの押し心地が、とにかく最高に気持ちのいいスマホで、あれから(後継機を含め)15年近くも使い続けたことを思い出す。

ただ、カメラに関しては非力だったので、あの頃の写真は、コンデジが手放せなかった。

だから、この写真もたぶん、そんなコンデジで撮ったものだと思う。

今やスマホのカメラは圧倒的に進化して、当時のコンデジ性能を軽く凌駕している。

いやはや時代は変わったものだ。

と。話がそれた。

「アメリカ自然史博物館」の話に戻ろう。

古代神殿のような入口をくぐり、館内に足を踏み入れた瞬間、僕は思わず息を吞んだ。


天井まで届く大理石のホール。

その中央に立っていたのが、後脚で立ち上がる巨大な恐竜――バロサウルスだった。

子どもを守るように前脚を広げ、その先には肉食恐竜アロサウルスが迫っていた。

骨だけの姿だし、静止している筈なのに、なぜか生命の躍動を感じさせる。

圧倒的に迫力に、僕は呆然と立ち尽くしていたことを思い出す。

当時の僕には、本物とレプリカの違いなどわからなかった。

ただ「すごいものを見た」。

その興奮だけが、今も心の奥に刻まれている。

これは後から知ったのだが、あのバロサウルスの骨格は、実際には精巧なレプリカだったらしい。

本物の化石は研究室で厳重に保管済で、館内に展示されているのは、科学者たちが型を取り、丹念に再構築した複製なのだという。

けれど僕は思う。

たとえレプリカであっても、 偽物とは思えない迫力があったし、科学者たちの手で再び立ち上がったその姿には、本物の魂が宿っているように思えた。

その後僕はランニングを始め、2011年、初めてNYシティマラソンに出走。

そして、2022年にも再びこの街を走った。

NYシティマラソンはとにかく最高で、僕はどちらも至福に包まれながら走ったが、レース前後はいつも慌ただしく、マンハッタンの街をゆったり巡る時間がとれなかった。

だから僕は、2009年以来、アメリカ自然史博物館には行くことができていない。

もしもいつかまた、ニューヨークを走る機会があるなら、今度は、レース後に時間をゆっくりとって、是非ともまた、恐竜たちに会いに行こうと思っている。


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