これを見て痺れなきゃ、SFファンじゃない。
そう思えるほどの感動が、この3冊にはある。
刊行予定を知った時からワクワクしていたのだけれど、いざ、書店の店頭でこの3冊が平積みされているのを見た時の感動は、言葉では言い表せない。
- 『The Indifference Engine』:最初にして最後の伊藤計劃短編集*1。
- 『いま集合的無意識を、』:伊藤計劃「ハーモニー」について考察した表題作が衝撃的な、神林長編の短編集。
- 『後藤さんのこと』:伊藤計劃の未完長編「屍者の帝国」(前述『The Indifference Engine』に収録)を書き継ぐことを発表した作家、円城塔の短編集。
個人的には、3冊全てが、伊藤計劃という空前絶後の作家を軸にした布陣のように思える。もちろん、神林長平はSF界の重鎮であり、円城塔は今や芥川賞作家だ。無理矢理伊藤計劃と繋げて論じる必要はないと思う。そもそも、円城塔の短編集そのものは、単行本の文庫化であり、伊藤計劃とは何の関係もない。
しかしそれでも、やっぱり、こうやって3冊並んでみると、伊藤計劃繋がりだからこそ生まれた奇跡のラインナップであるように思う。
個人的には、早川書房に喝采を贈りたい。
(補記)円城塔の短編集『後藤さんのこと』は、以前単行本で出ていたものであり、その際、本に巻かれている帯にちょっとした仕掛けがあった。今回、文庫化の帯は普通のものになっているので、「アレ」はなくなってしまったのかと思っている人もいるかもしれない。でも、ご安心を。ちゃんと巻末に「綴じ込み付録」として収録されている。
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