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「5分間SF」だけじゃない!今こそ再評価されるべき、草上仁の作品群

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最初はとても違和感があった。

f:id:ICHIZO:20190919052814j:plain5分間SF (ハヤカワ文庫JA)

「5分間SF」というタイトルを見た時、そしてそれを読んだ時の印象だ。

SF短編の名手である草上仁氏の作品群だから、その内容については、もちろん文句なく楽しめる。

しかし、収録されている作品の長さはバラバラで、それらを「5分間」という括りでまとめるのは、ちょっと無理があるんじゃないかと思った。

草上氏は、あくまで「短編の名手」であって、ショートショート専門作家ではない。

適度な長さで、じっくりと読ませる重厚な短編も、無数に書いている。

しかもまだ、単行本化されていない(SFマガジン誌に掲載されただけの)作品が山ほどある。

それなのに、なぜ、短めの作品だけを集めて、無理矢理なタイトルをつけて売るのかなぁ…。ちょっと寂しくなった。

が、「SFマガジン」編集長、塩澤快浩氏のツイートを読んで、僕は得心した。

なるほど。そういうことだったのか。

草上仁氏は、オールドSFファンなら誰でも知っている作家で、人気も高いから、「草上仁の名前を知らないSFファンなんて、モグリだ!」と思う人が多い筈だ。(僕もそう思う。)

しかし、何しろ、もう26年間も(!)作品集が出ていなかったわけだから、最近は、「草上仁?いったい誰?」と思う人がいてもおかしくない。

それを考えると、出版社として、編集者としては、まず、この作品集の存在を認知してもらう、そして、この本が「売れる」ということが重要。

重版という結果は、「5分間SF」というタイトル(及び全体の趣向)が、見事に当たったと言うことになる。

流石は、早川書房が誇る稀代の名編集長だ。

雑誌不況の時代、文芸誌や中間小説雑誌が軒並み苦戦する状況で、「SFマガジン」誌が好調なのは、塩澤氏の手腕あってこそ。

そして、そんな名編集者が手がけたからこそ、この短編集も売れた、と言える。

「次につなげられることが重要」と言う、塩澤編集長の思惑通り、重版と言う結果が出た。

ならば、草上仁ファンとしては、やっぱり、を期待してしまう。

この26年間、短編集こそ出ていないが、草上氏は、SFマガジン誌でコンスタントに短編を発表している。

それらを集めれば、まだ、これから何冊も短編集を発売できる筈だ。

僕はそれが本当に楽しみで仕方がない。

そして。

「5分間SF」で新たに草上仁ファンになった人たちに、僕は伝えたい。

草上氏には、まだまだまだまだ面白い作品があるよ、単に短いだけじゃない、読み応えのある作品もあるよ、と。

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なぜか今は絶版になってしまった、かつての素晴らしい短編集たち。

何とか復刊してもらえないかなぁ…。


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