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「SFマガジン」2012年6月号で、「ハヤカワSFシリーズJコレクション特集」以上に興味深かったこと

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例によってご紹介が遅れてしまったが、もちろん発売日(25日)に入手済。

表紙中央にドンと書かれた特集名が、イラストと重なって非常に読みにくいのだけれど、これは多分意図された効果なのだろう。
特集名自体は、表紙タイトルの下にも書かれている。そう、今回は「ハヤカワSFシリーズJコレクション」の創刊10周年記念特集なのだ。
ついこの間創刊されたばかりだと思っていたのに、もう10年も経ってしまったのか。いやはや、早いものだなぁというのが実感。
しかし、今や、このシリーズなくしては現代SFは語れなくなっている。
今は亡き伊藤計劃氏は、このシリーズで世に出たし、円城塔氏の単行本デビューもこのシリーズだった。上田早夕里氏が2010年発行の『華竜の宮』で日本SF大賞を受賞したことも記憶に新しい。

今号のSFマガジンには、既刊作品の完全レビューが掲載されている。これは保存版だ。
特集は、圧巻の既刊リストの他、仁木 稔氏の短編、表紙イラストも担当した西島大介氏のコミック、倉数茂、法条遥両氏のインタビュー、大森望氏によるエッセイ「Jコレクション10年史」と、非常に充実の内容。
既刊リストを眺めてみると、既に文庫化されている作品も多いのだけれど、僕はまだまだ未読のものも多数あるので、かなり恥ずかしい。SFファンを自認する以上、今後どこかでちゃんと読まなければいけないなぁと思っている。
今号の中核特集は、もちろんJコレクションなのだけれど、個人的にはそれ以上に気になった記事があった。

現代作家論シリーズだ。
これは、取り上げられる作家も論者も月替わりという連載企画なのだけれど、今月は、筒井康隆論だった。何しろ僕が敬愛してやまない作家についての論考だから、注目せずにはいられなかった。しかも、論者は外人*1であり、そもそも外国で書かれたものというのが興味深い。
論じられている作品が、「朝のガスパール」。そしてその副読本であった「電脳筒井線」というのも異色だった。ここまで本格的な「朝のガスパール」論は読んだことがなかったので、ちょっと驚き。
この論考を読んで、色々興味深い点も出てきたので、明日からのGW後半にでも、あらためて読み直してみようと思っている。

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*1:ウィリアム・O・ガードナー氏。僕の知らない人だった。


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