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サンドラ・ブロックの魅力が冴えまくる「しあわせの隠れ場所」

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先週末に鑑賞。

なんと言っても、主演のサンドラ・ブロックがいい。
前作の「あなたは私の婿になる」はラブ・コメディだったけれど、今回は一転、セレブの主婦を見事に演じきっている。映画界での評価は非常に高く、ゴールデングローブ賞に続いて、昨日発表されたアカデミー賞でも見事栄冠を獲得した。まさに、主演女優賞の栄冠がふさわしい圧巻の演技だったと思う。
以下は、ネタバレなしで感想をつらつらと。
主人公のリー・アン・トューイ(サンドラ・ブロック)は、裕福で満ち足りた家庭の妻。しかも、強気で自信たっぷりの設定だ。ひとつ間違えば高慢で鼻持ちならない役柄になりかねないのだけれど、サンドラ・ブロックの素晴らしい演技は、全く傲慢さを感じさせなかった。意志の強さは十二分に示しながら、かつ、感情の機微に溢れる演技が素晴らしい。
映画は、最初にアメフト試合の解説シーンから始まるので、一瞬戸惑った。しかし、物語が動き出してからは、全く気にならなくなる。スポーツのゲームを舞台にした映画ということで、先日見た「インビクタス 負けざる者たち」と一瞬印象が重った*1のだけれど、アプローチが全く異なるので、それも途中から気にならなくなった。
試合の迫力は、こちらの方が断然上。アメフトのルールが全くわからない僕でも、思わずのめり込んで見てしまったほどだ。
アメフト選手マイケル・オアーを演じるクイントン・アーロンは、新人と言うこともあってか、感情表現の仕方などにもどかしさを感じるのだけれど、逆にそれが、自然で新鮮。悪くない。
ショーン・テューイ(ティム・マッグロウ)も良かった。懐の深さが絶妙で、こういった旦那がいてこそ妻も輝くのだなぁ、素晴らしい家庭が生まれるのだなぁと思わずにはいられない。
夫婦の息子S・J・テューイ(ジェイ・ヘッド)が実に魅惑的。そばかすだらけのにんじん少年で、最初はちっともかわいくないのだけれど、ストーリーが進む毎に存在感が高まっていく。マイケル・オアーと絡む展開になってからは、愛おしくなるほどだ。
映画を見終わって、僕が一番驚愕したのは、これが「実話をもとにした映画」と言うことだった。何の予備知識も持たないで出かけたので、とにかく驚いた。この映画が実話だと言うことは、宣伝ポスターにも書かれているし、各種紹介記事を1度でもしっかり読んでいれば、明確に書かれている。だからこれはネタバレにはあたらない筈だ。むしろ、それも知らずに出かけた僕の方が珍しいと思う。
それにしても…。まさかこれが実話とは。実話と知ってから思い直すと、この映画の凄さが甦ってくる。アメリカという国の光と影を痛感せずにはいられない。
エンドロールの余韻が、心にずんと響く映画。おすすめ。

ひとつだけ不満がある。
原題の「THE BLIND SIDE」はアメフト用語。主人公の人生と重ね合わせた意味を持つ、含蓄の深いタイトルになっている。それが…「しあわせの隠れ場所」っていったいなんなんだ。原題の深さがぶちこわしだし、ダサいにもほどがある。誰だよ、こんな邦題考えたのは。
http://www.youtube.com/watch?v=awZF4Oyoir0:MOVIE
「しあわせの隠れ場所」オフィシャルサイト

*1:競技は異なる。インビクタスはラグビー。しあわせの隠れ場所はアメフト。


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