餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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猛烈な歯痛の果てにこみ上げた怒り

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昨日の昼。それは突然やってきた。左上の奥歯が、突然痛み出したのだ。
しかし、その時はまだ「ちょっと痛いかな」ぐらいのものだった。いつものように食後の昼寝も可能*1だったので、それほど深刻ではなかったのだろう。しかし、午後2時、3時、4時と、時間を経る毎に痛みの度合いは増し、5時を過ぎると耐えられないほどになってきた。
全く業務に集中することができず、これではとても仕事にならない。ということで、今年の春まで、半年通い続けた馴染みの歯科に電話連絡。急遽治療を依頼した。夜8時過ぎまで待たなければいけないとのことだったが、それでも治療はしてくれるという。僕はその言葉に感謝しながら電話を切り、準備のために早々に退社した。
思えばその時、電話に出た医者の「声が変わっていた」ことに気がつけばよかったのだけれど、集中力を失っていた僕は、全く違和感を感じなかった。今にして思えば、これが最大の痛恨*2だった。
この春まで、僕が通い続けていた歯科は、とても気に入っていた。何より歯科医の先生が魅力的だったのだ。患者思いで、とても丁寧に、根気よく治療を続けてくれた。少しでも僕が痛みを訴えると、それを最大限回避するような方法で、丁寧に対応してくれた。
院内の雰囲気もとてもよかった。常時、ゆったりとしたインストゥルメンタルのBGMが流れ、落ち着いた気分にさせてくれた。これまで歯医者通いを憂鬱に感じていた僕が、毎週通い続けても苦にならなかったのだから、相当気に入っていたと言っていい。
だから昨日も、その先生に身を委ねていれば、安心して歯痛から脱出できる…筈だった。しかし、雨の中を20分以上歩いて、その歯科医院に辿り着いた僕を迎えてくれたのは、馴染みの笑顔ではなかった。
曰く「前の先生は退職され、僕が代わりに受け継ぐことになりました。」とのこと。歯科医を証明するIDカードのようなものを提示され、その目は大丈夫だと訴えている。僕はこの時点でかなりの不安を感じていたものの、夜の8時を過ぎており、今更取り返しがつかない。そもそも、他の歯科医にアテがあるわけではかったし、歯科の看板が同じである以上、治療内容などについても、きっと同じようなものになる筈だ。そう信じて、僕は治療に臨むことにした。
それが、大きな間違いだった。
院内は、以前のようなBGMも流れていたものの、それを打ち消すような大音量で、小うるさい漫才師たちの喚声が鳴り響いていた。見ると、座席の前に小型のテレビが置いてあり、そこから流れる音だった。診療中、患者は殆ど寝たままになっているのだから、画面など見ている余裕はない。いったい何の為にテレビなどを置いているんだ。ただうるさいだけで、僕には全く意味不明だった。
この時点で、僕には不快感が沸き上がっていたのだけれど、早く歯痛から逃れたい思いの方が強く、何とか我慢して治療を受けることにした。しかし、本当に最悪だったのは、これからだったのだ。
診療台の横には、広大な液晶ディスプレイとキーボードに繋いだPCが配置されていた。以前の院内にはなかったものである。いったい何に使うんだろうと思ったら、その医者は、僕が席に着くなり、いきなりPCを操作。画面にはカルテのような書式のフォーマットが現れた。医者は、そこに僕の名前を入力するや、FUJIFILMのデジイチ*3で、僕の口内をバシャバシャと撮りだした。何の断りもなく、突然に。
撮影後、SDカードを取り出し、PCへ取り込み。いくつかの画面操作の後、医者は僕の座席を起こして、僕に液晶画面を見るように促した。見ると、先ほど入力された僕の名前の横に、撮影したばかりの、僕の口内がアップになって表示されていた。医者はペンのようなもので画面にタッチ。印をつけたりして、痛みの原因はこの部分ではないかと僕に説明した。
ここまでなら、まだ、我慢できたかもしれない。患者への説明をわかりやすくするための、この医者なりの工夫かとも思えたからだ。許せなかったのは、ここからだ。医者は「…さんの症状は、この方に似ているかもしれません」などといいながら、画面をタッチ、色々な虫歯の写真を写しだした後、とある患者の口内画面をアップで映し出した。「もしかするとこういう状態になっている可能性も」と言いつつ、今度は別の患者の口内写真。前述したように、これはカルテのような形式のフォーマットになっていたので、映し出された写真の横には、その患者の名前が表示されている。
あり得ない!
たとえ名前だけの情報とはいえ、これは重要な個人情報の筈だ。いくつか表示された名前は、僕にとっては見知らぬものだったけれど、もしも近所つきあいの広い主婦などが見たら、知り合いの名前が表示される可能性も十分ある。カルテそのものではないとはいえ、守秘義務のある筈の医者として、この行為は許されることなのだろうか。
そもそも、僕の名前がPCの中に残り、他の見知らぬ人への説明用に使われると思っただけで吐き気がした。いったいなんなんだ、これは。
今にして思えば、説明の画面を見ている時は、まだ診療が始まっていなかったのだから、その時点で席を立つべきだった。僕のデータ消去を要求して早々に。しかし、その時は、何とか歯痛をおさめて欲しかったことと、今更抜け出せないという思いから、そのまま診療を受けることにしてしまった。猛烈に痛恨だ。
診療自体も、酷いものだった。ガサツでメチャメチャ。デジカメやPCを触った汚い手で、僕の口内に直接触れ、洗浄用の水流は顔に飛びまくり。その間、僕に対する気遣いは一切無し。さらに、少し削ってはバシャバシャと撮影。削っては撮影。PCへの取り込みを繰り返した。僕を診療しているのか、説明用の写真を集めているのか、どちらがメインの業務なのかと疑うほどだ。
挙げ句の果ては、「この(画面の)患者と同じような症状である可能性がありますから、まずは神経を抜きましょう」などと簡単に言い出す始末。何が「まずは」だ。こんなふざけた医者に僕の歯神経を抜かれてたまるものか。
僕はそれだけは止めてくれといい、今日は、虫歯の部分だけを除去してくれるよう依頼した。医者は「抜いた方が良さそうなんですけどね」などとブツブツ言いながらも、僕の意見に従った。
診療時間は、結局1時間以上かかった。ただ、半分近くはデジカメとPCの操作になっていたので、何が何だかよくわからない。痛みでたまらなかった僕の奥歯は、穴が開いて、滲み止めでとりあえず沈静化している。
「翌週は型取りをします。痛みが再発するようであれば、神経を抜くことになります」などと言われたのだけれど、僕は、それを上の空で聞いていた。1週間分の痛み止めはもらえたので、その間に他の医者を探してみることにしようと思う。

*1:僕にとって、昼15分の仮眠は、夜の睡眠と同じくらい重要。

*2:気がついていたとしても、代替案がとれたかどうかはわからないけれど…。

*3:マクロレンズ?らしきものをとりつけていた。


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